モノを製造するには原料が必要です。非鉄金属はどのように原料を用意しているのでしょうか。
1鉱山を掘る
非鉄金属は、自然界の中では地表や地下、海中、海底など地球上のさまざまな場所に点在しています。その中で、地表や地下に鉱山を開発して金属成分の高い鉱石を採掘するのが一般的です。
昔は、金・銀・銅などの金属が取れる鉱山が日本にはたくさんありました。しかし、現在では大部分の鉱石原料を海外から輸入しています。
ここでは、銅を例にどのように鉱山を開発しているか見てみましょう。
昔は、金・銀・銅などの金属が取れる鉱山が日本にはたくさんありました。しかし、現在では大部分の鉱石原料を海外から輸入しています。
ここでは、銅を例にどのように鉱山を開発しているか見てみましょう。

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鉱床を探す
鉱床(こうしょう/特に鉱物がたくさん集まっているところ)を、人工衛星などのデータで絞り込み、地上の岩を分析したり、電磁波や磁石を活用したり、念入りに調査を行います。地下の岩石も掘り出し、技術面においても経済面においても、「実際にこの鉱山で採掘してもよいか」を検討します。決定したら、いざ採掘するための準備として、鉱石を処理する設備などの建設工事を行います。

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鉱石を掘り出す
いざ、採掘!ですが、手当たり次第に採掘していいわけではありません。対象の鉱床に対して、経済的に無駄のない、最適な採掘計画を考えてから鉱石を採掘していきます。 採掘方法にもいろいろありますが、現在動いている大型鉱山では、地表を階段状に採掘する「露天堀り」が主流です。

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金属成分を選別する
採掘した鉱石はそれを処理する設備で砕き、すり潰し、数十ミクロン程度の大きさまで細かくします。1ミクロンは1,000分の1ミリメートル。ゴツゴツしていた鉱石はサラサラの粉状になるんです。 その後、対象となる鉱石を、銅を多く含む部分とそれ以外の部分とに分離。さらに薬品の力で銅の成分を取り出し、銅の純度約30%の原料「銅精鉱」ができあがります。

2使用済製品からリサイクル
私たちの身の回りの製品には多くの金属が使用されており、使用済の製品は大切な資源として、鉱山に見立てて「都市鉱山」とも呼ばれています。都市鉱山からどのように金属をリサイクルするのか追ってみましょう。

1
廃家電などを集める
使用済みの家電製品、電子機器、リチウムイオン電池などを国内・海外から集めて、これらを処理できる施設に運びます。

2
分解して不要なものを
取り除く
集めてきた使用済みの製品を分解したり破砕したりして、金属が含まれている部分と、プラスチックなどのそれ以外の部分に分けます。

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焼いて、溶かして、
金属の成分を取り出す
金属が含まれている部分は、焼却や高温で溶かすことにより、金属以外の成分を除去します。金属の割合が高まったところで、次の『金属を取り出す』工程の原料となります。取り除かれた不純物はコンクリートの骨材などとして再利用されます。
