基礎材料セグメント 金属・リサイクル事業

銅精鉱とリサイクル原料から、製錬プロセスを通じて銅・貴金属・レアメタルなど高品質の金属地金を効率的に生産し、日本国内とアジア地域へ安定供給しています。銅精鉱の反応熱を最大限活用する「グリーンハイブリッド製錬」構想のもと、リサイクル原料比率(原料投入比率もしくは製品中の含有比率)を2040年に50%以上とすることを目標に、持続可能な資源循環型社会の構築に取り組みます。

重点戦略

2022年度の振り返り

当期は、リサイクル原料の増処理を中心とする原料構成の最適化を進めるとともに、サプライチェーンを俯瞰したトータルベストを追求し、拠点間の物流効率化、各製造拠点の操業効率化等による競争力強化に取り組みました。

リサイクル事業では、エネルギー価格高騰による輸送・処理コスト増などにより海外でのリサイクル原料集荷量が減少しましたが、国内からの集荷を強化することでこれを補いました。また、リサイクル事業取り組み強化の一環として2022年8月にカナダのE-waste(廃家電・廃電子機器)回収・処理事業者であるeCycle Solutions社の全株式を取得しました。

金属事業では、銅価は、上期に世界的な景気後退懸念から下落したものの、下期は中国の需要回復への期待感から上昇に転じました。銅精鉱購入条件については、新規鉱山の生産立ち上げ等を背景に、前期比で改善しました。硫酸市況は、上期は前期からのタイトな環境が継続し市況は高値で推移していましたが、下期以降は、硫黄価格の急落や需給環境の悪化により市況は大きく下落し、低水準で推移しました。

2023年度の見通し

銅精鉱調達およびリサイクル原料集荷の環境が厳しくなっていくと予想される中、重点課題への取り組みを通じて、収益最大化と資本効率の向上に努めます。

今後、銅の需要はますます伸びていく一方、供給はこれを下回る見通しとなっています。そのため、この需要拡大を支えるには銅精鉱に加えてリサイクル原料の活用拡大が必要不可欠です。「拡大する需要を支える安定供給体制の構築」と「ESG(脱炭素や資源循環等)を重視した生産と供給」という2つの使命を果たすため、当社は2022年8月に「サステナブルカッパー・ビジョン」を策定しました。2023年度はサステナブルカッパーの進化と普及に向けて、①カーボンフットプリントの削減、②リサイクル原料比率の向上、③責任ある調達とその他施策の推進、④Green Enabling Partnershipの形成、という4つの施策を推進してまいります。

TOPICS
責任ある調達の推進

2022年12月15日付でJX金属製錬(株)の佐賀関製錬所および日立工場は、The Copper Mark認証を取得しました。The Copper Markは、2019年に設立された、責任ある生産活動を推進し、銅業界のグリーントランジションへの取り組みを示す信頼性の高い保証の枠組みです。
JX金属製錬(株)は、独立した第三者機関の審査を経て、この度、国内銅製錬として初めて認証取得に至りました。これは32にわたる環境、人権、コミュニティ、ガバナンスなど幅広い項目の基準を遵守していることが認められたものであり、国際的なESGへの要請が高まる中において、持続可能な事業の競争力強化に資するものです。

The Copper Markロゴ

このページのPDFをダウンロード 
TOP