基礎材料セグメント 資源事業

当社の資源事業は、海外の銅鉱山やレアメタル鉱山への参画、国内の含金珪酸鉱鉱山の操業を通じて、当社グループで取り扱う先端素材の原料の長期・安定的な調達を支えています。操業鉱山の運営・管理に加え、将来に向けて探査活動など新規案件の調査・開発も積極的に取り組んでいます。

重点戦略

2022年度の振り返り

2023年3月28日に公表したニュースリリースの通り、当社はカセロネス銅鉱山の運営子会社となるSCM Minera Lumina Copper Chileの株式51%を、カナダのLundin Mining Corporationに譲渡することを決定しました。同社がカセロネス銅鉱山の経営パートナーとして参画することにより、生産性向上やコスト競争力増強が見込まれるなど、多くのシナジーが期待できます。操業面では、カセロネス銅鉱山では大雪や用水制限の影響など生産減となったものの、これまでの累計生産銅量が100万トンに達しました。また、ロス・ペランブレス銅鉱山では増強計画進捗遅れの影響などにより減産となりました。

新規鉱山開発案件では、川下事業のための原料安定確保という観点から部門横断的なプロジェクトチームにより、タンタルおよびチタンを中心に具体的な案件の評価・検討を進めてきました。その結果、2023年1月より当社とAMG Brasil SA (AMG社)が出資するジョイントベンチャー(JV)のもとで、同社が運営するMibra鉱山で産出される鉱石から、タンタル精鉱を生産しています。

2023年度の見通し

カセロネス銅鉱山はLundin Mining Corporationという高い鉱山運営能力を持つパートナーを得て、生産性向上やコスト競争力強化を進めるとともに、Lundinグループが同鉱山近隣に持つ探鉱プロジェクトとの一体開発による山命延長など長期的事業運営が可能となり、今後も重要な原料の調達先として銅製錬事業を支えます。ロス・ペランブレス銅鉱山については、増強計画完工による2023年度中の増産に向けて注力します。

探鉱についても、当社の中下流事業における将来のニーズへの安定的な原料供給を実現すべく、レアメタルや銅、珪酸鉱を含めた多様な鉱種で国内外において調査検討を進め、Mibra鉱山(タンタル事業)への参画に続いて、事業化を目指します。

TOPICS
Mibra鉱山のタンタル原料生産事業への参画について

当社はレアメタル領域への資源事業進出の第一歩として、タンタル原料の生産事業への参画を決定しました。2023年1月より、当社とAMG社が出資するジョイントベンチャー(JV)のもとで、AMG社が運営するMibra鉱山で生産される鉱石からタンタル精鉱を生産しています。タンタルをはじめとするレアメタルの多くは、先端素材の原料として今後ますますその重要性が高まることが見込まれます。これら原料については長期・安定的に確保することが重要となるとともに、安全や人権に配慮した、倫理的かつ持続可能な「責任ある調達」に向けた企業の積極的な対応が求められています。今回の参画を通じ、原料の長期・安定的な確保と「責任ある調達」のさらなる推進を進めてまいります。

Mibra鉱山と操業プラントの全景

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