タンタル・ニオブ事業

当社グループのTANIOBIS GmbH(在ドイツ、以下「TANIOBIS」)は、世界各地に製造拠点と販売拠点を有する世界有数のタンタルとニオブの材料メーカーです。当社は、当社とTANIOBIS、タンタル・ニオブの精錬加工を行う東京電解(株)とともに、半導体材料やコンデンサ用の金属粉、SAWデバイスや光学レンズ用の酸化物、半導体用の塩化物、高機能粉末材料等、高品質な素材の安定供給を通じ、IoT・AI社会の発展に貢献しています。

重点戦略

2022年度の振り返り

主要な既存事業であるコンデンサ用高純度タンタル粉末および半導体用スパッタリングターゲット用高純度タンタル粉末の2022年度の製品販売は、上期は好調な市場に支えられましたが、下期以降エレクトロニクス分野での景気後退の影響を受け調整局面となりました。

市場は2023年を底にして回復を見込んでおり、今後の製品需要の着実な伸びに対応するべく、2022年4月に完全子会社化した東京電解(株)の溶解炉の増設を新たに決定しました。また、需給や価格の変動、リスクに強い原料調達ポートフォリオの実現に向けた取り組みとして、ブラジルのMibra鉱山への出資を決定し、同鉱山で生産されるタンタル精鉱をTANIOBISが優先的に買い受けることとしました。これらの新たな投資に加えて、営業・研究開発・製造が一体となり、顧客密着型のビジネスを展開する「Customer First Project」を推進することにより、世界シェア拡大を目指しました。

2023年度の見通し

エレクトロニクス分野での景気後退は2023年を底にして回復を見込んでおり、主力製品であるコンデンサ、半導体用スパッタリングターゲット用の高純度タンタル粉末の需要も同じように回復すると考えています。こうした状況の中、営業と技術が一体となった顧客目線の営業活動を推進し、一層のシェア拡大を図るとともに、各拠点の特徴・強みを追求した製品構成の最適化やコストダウン、安定した原料調達、タイの生産拠点における設備増強プロジェクト等の認可済みの投資案件の実行に取り組むことで、さらなる競争力強化を進めていきます。

また、TANIOBIS、東京電解(株)を含む当社グループ各社との連携により、タンタル・ニオブのみならずレアメタル領域全体における新規事業開発体制を強化し、新規事業の早期収益化に向けた活動を推進していきます。

TOPICS
東京電解(株)の完全子会社化

高融点金属の溶解・精製において優れた技術と生産能力を有する東京電解(株)を2022年4月に完全子会社化しました。同社は、タンタルスパッタリングターゲット向けのインゴットを製造しており、当社薄膜材料事業部のスパッタリングターゲット事業にとって重要なパートナーでありました。TANIOBISの手掛けるタンタルスパッタリングターゲット用原料粉の事業に加えて、東京電解(株)が当社グループの一員となることで、垂直統合的なサプライチェーンのさらなる強化が図れるため、当社タンタルスパッタリングターゲットの安定供給体制はより強固なものになりました。さらに、東京電解(株)と当社グループは今後、超電導材料などの分野で技術革新に寄与する可能性を秘めた金属であるニオブに関連する事業の拡大など、レアメタル領域全般にわたるシナジー創出を加速してまいります。

完成したインゴット

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