半導体材料セグメント 薄膜材料事業

世界最高水準の非鉄金属製造技術を駆使し、半導体向け用途を含む多種多様なスパッタリングターゲットをはじめ、化合物半導体材料、高純度金属および表面処理など、各種高機能デバイス、最先端IT機器、医療機器、電気自動車へと応用できる製品・サービスをグローバルに展開しています。

重点戦略

2022年度の振り返り

2022年度の前半は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の伸長を受けた強い半導体需要が継続し、半導体関連市場は2021年度に引き続き堅調に推移しました。しかし2022年度の後半に入り、スマートフォン・タブレット・PC等、民生用電子デバイス全般の需要が減少し、これに伴いサプライチェーンにおける在庫調整の動きが顕著になりました。

このような状況の中、当社では中長期の市場の成長を見据え、米国で新工場建設に向けた工事の開始、台湾における半導体用スパッタリングターゲット生産能力の現行比約80%増強の決定など、供給体制の強化に資する施策を実行しました。また、当社としてESGへの取り組みを強化する中、磯原工場では、 RBA(Responsible Business Alliance)行動規範の遵守状況を評価するVAP(Validated Assessment Program)監査において200点満点を獲得し、ESGへの取り組み強化に対するより高いコミットメントを示すことができました。

2023年度の見通し

2022年度の後半から続くサプライチェーンにおける在庫調整の影響は、2023年度も継続する見込みです。足元、米中貿易摩擦の激化、ロシアのウクライナ侵攻の長期化などによるマクロ経済環境の懸念はあるものの、中長期的には、特に半導体関連市場において第5世代移動通信システム(5G)の本格化、車両の電装化、脱炭素化の加速等により、さまざまな分野での市場の成長が期待されており、当事業部の先端材料のニーズはさらに拡大する見込みです。

これらの需要拡大に応えるべく、新工場の建設をはじめとした設備投資を着実に実行し生産能力を引き上げるとともに需要に応じた機動的な供給体制を構築することで、顧客の信頼に応えていきます。また、当社の製品を通じてSDGsの実現に貢献していくとともに、さまざまな市場の変化に伴う新規開発動向に目を配り、社内外との連携により課題を解決することで社会の期待にも応えていく所存です。

TOPICS
台湾拠点における半導体用スパッタリングターゲットの生産能力増強

台湾拠点において、半導体用スパッタリングターゲットの加工設備の増強を行い、生産能力を現行から約80%引き上げることとしました。今後、新規ラインの設計・建設・立ち上げを行い、2024年度下期以降、随時稼働予定です。
薄膜材料事業の主要製品である半導体用スパッタリングターゲットは、最先端のロジックやメモリなどをはじめ、各種半導体デバイスの製造に用いられています。世界的なデジタル化進展に伴って半導体産業の拡大が進み、長期的な観点で需要増が見込まれることから、生産能力増強を行うことを決定しました。本増強を通して顧客からの要請に機動的に対応できる供給体制を構築し、信頼に応えてまいります。

生産能力増強を決めた台湾拠点

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