情報通信材料セグメント チタン事業

チタンは、軽量・高強度・高耐食という特性を持つ金属であり、航空機や海水淡水化プラント、発電プラントなど幅広い分野で利用されています。当社グループの東邦チタニウム(株)では、チタン製錬や、その関連材料・技術を用いた触媒(プロピレン重合用)、化学品(積層セラミックコンデンサの内部電極・誘電体材料等)の製造などを行っています。

重点戦略

2022年度の振り返り

金属チタンの販売は、航空機向けは旅客需要の回復およびロシア製展伸材からの代替需要が加わり、一般産業用途や半導体用途向け高純度チタンについても堅調に推移したことにより、前年度を大幅に上回る水準となりました。収益面は、輸入原材料、電力価格および副資材費の高騰によるコスト上昇があったものの、一部顧客の価格是正のほか、在庫出荷による出荷量の増加と為替円安に伴う輸出分の増収に加えて、コスト上昇以前に製造した在庫の払い出し・取り崩し等の一過性の好転要因により、前年度に対して増益となりました。触媒事業の販売は、中国の景気減速を主因としてアジアにおけるポリオレフィン用触媒の需要が軟化しており、販売量は前年度を下回る水準となりました。化学品事業の販売は、米国の利上げや中国のロックダウンに起因する経済停滞等の影響に伴い、主要製品である超微粉ニッケルの主な用途である積層セラミックコンデンサ(MLCC)の需要減少により、販売量は前年度を下回る水準となりました。

2023年度の見通し

金属チタンの販売については、航空機向けチタン需要の回復およびロシア製展伸材からの代替需要の継続により、堅調に推移すると想定しています。一方、触媒事業および化学品事業の販売については、中国等海外の本格的な景気回復には、まだ時間を要するものと想定しており、当面需要は軟調に推移すると見込んでいます。収益面では、金属チタン事業において、価格是正はあるものの、製造コストの安い在庫の取り崩し等、前年度に顕在化した一過性の好転要因がなくなり、2022年度後半以降の製造コストの高い製品の払い出しが本格化するなど、利益を大きく圧迫することが見込まれます。

TOPICS
触媒新工場建設による生産能力増強

東邦チタニウム(株)触媒事業の主力製品であるTHC触媒(Toho High efficiency Catalyst)は、ポリプロピレン製造に用いられる独自の高性能触媒で、マグネシウム-チタン系のZiegler-Natta触媒と呼ばれるタイプの触媒です。ポリプロピレンは、自動車内外装、家電製品、包装材、食品容器など幅広い用途に使用されています。昨今、化学物質規制強化等、環境問題への対応が一層急務となっていることから、東邦チタニウム(株)では環境に配慮した触媒の開発・製造・販売を行っており、新工場は本環境対応型触媒の製造もできる設計となっています。

茅ヶ崎工場(神奈川県)の触媒新工場

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