世界最高水準の非鉄金属製造技術を駆使し、半導体向け用途を含む多種多様なスパッタリングターゲットをはじめ、化合物半導体材料、高純度金属および表面処理事業など、各種高機能デバイス、最先端IT機器、医療機器、電気自動車へと応用できる製品・事業をグローバルに展開しています。
JX金属(株)
取締役常務執行役員 薄膜材料事業部長 技術本部審議役
中村 祐一郎
2020年度は、新型コロナウイルスの感染拡大によってデジタルトランスフォーメーションが加速したことによる市場全体の成長を背景に、テレワークや巣ごもり需要が増大し、半導体セクター関連市場は好調に推移しました。今後もさらなる需要拡大が期待される将来の市場ニーズへ応えていくことを目指し、生産能力増強のための設備投資を実施しており、半導体の微細な配線の形成に用いる銅・銅合金、チタン、タンタルなどのスパッタリングターゲットの製造設備について、2020-2022年度中計での当製品に関するプロセス全般の設備増強計画を前倒して実施することとしました。
JX金属(株)
取締役常務執行役員 薄膜材料事業部長 技術本部審議役
中村 祐一郎
2021年度も、新型コロナウイルスの蔓延、米国による対中政策強硬策の継続、日韓情勢等の影響による経済環境の不透明さは拭えないものの、ワクチン接種の拡大による経済活動の正常化、各企業でのデジタルトランスフォーメーションの取り組み加速、5G・IoT・ADAS(先進運転支援システム)等の本格普及により、各製品群の需要拡大が期待されます。また、中長期的にも先端材料ニーズのさらなる拡大が期待できることから、その需要増に対応するため、既に決定した設備投資を着実に実行し生産能力を引き上げていくとともに、さまざまな市場の変化に伴う顧客要求に機動的に対応することで、顧客の信頼に応えていきます。
薄膜材料事業の主要製品である半導体用スパッタリングターゲットは、主に最先端のロジックやメモリーの微細配線材料に用いられており、データ社会の進展により着実に需要が伸び続けています。テレワークなどを背景とした通信インフラやモバイル端末の需要増大により、半導体市場の成長は加速しています。この基調は5Gやデジタルトランスフォーメーションの進展により今後も継続するものと予測しています。
当社は半導体の微細な配線の形成に用いる銅・銅合金、チタン、タンタルなどのスパッタリングターゲットの製造設備について増強を行い、生産能力を2020年度には約30%引き上げ、現在もさらなる増強を進めています。今後も需要拡大を支えるために尽力していきます。
半導体用スパッタリングターゲットの設備、電解槽(当社磯原工場)