2006年の権益取得以降、当社グループが中心となって開発を推進してきたカセロネス銅鉱山では、2014年5月に銅精鉱の生産が開始されました。また、ロス・ペランブレス、エスコンディーダといった世界有数の銅鉱山に出資しており、2020年度の権益銅生産量は合計で約19万トンとなっています。
JX金属(株)
執行役員 資源事業部長 技術本部審議役
成井 英一
カセロネス銅鉱山については、共同出資者である三井金属鉱業(株)および三井物産(株)から両社保有権益を2021年2月に譲り受け、全権益を取得しました。操業に関しては、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、ソーシャルディスタンス確保のため食堂設備の拡張や人員輸送の運用の見直しなどを講じたものの、2019年度に比べ減産となりました。当社が出資するロス・ぺランブレス銅鉱山およびエスコンディーダ銅鉱山でも、カセロネス銅鉱山と同様に感染拡大防止対策を行いながら操業を継続しました。なお、ロス・ペランブレス銅鉱山の設備増強計画は、感染拡大防止のための一時中断による影響などを踏まえて計画を見直し、2022年後半の工事完了を予定しています。
JX金属(株)
執行役員 資源事業部長 技術本部審議役
成井 英一
カセロネス銅鉱山においては、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策を継続しつつ、操業重点課題に対するアクションプランの確実な実行により、さらなる操業のレベルアップとコスト改善を推進し、収益力を強化していきます。
ロス・ペランブレス銅鉱山においては、2019年度より開始した増強計画の完工に向けて注力し、新規案件の発掘・推進についても、当社の中下流事業における将来のニーズへの安定的な原料供給を実現すべく、レアメタルや珪酸鉱を含めた多様な鉱種で国内外において調査・検討を進め、事業化を目指します。
2021年2月、当社はカセロネス銅鉱山のすべての権益を取得しました。これにより、世界的に精鉱中の銅品位が低下し、不純物が高まる傾向にある中、製錬所の原料として価値が高まっている高品位でクリーンなカセロネス銅精鉱の権利を100%取得したことになります。クリーン鉱の供給を増やすことによって、製錬所では処理能力に余力が生じ、リサイクル原料の増処理が可能となります。そのため、カセロネスのような優良な銅精鉱の確保は、当社グループ製錬所にとって極めて重要で、金属・リサイクル事業の競争力向上にも貢献しています。
カセロネス銅鉱山