当社グループでは日立鉱山での創業時より、地域との共存共栄の精神を大切にしながら事業を行ってきました。今も変わらぬこの精神に基づき、企業行動規範の中で社会との共存共栄を図ることを掲げています。
評価: 達成・順調 未達
KPI | 2020年度実績・進捗 | 評価 |
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地域コミュニティとの対話の継続 | 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けながらも、 継続した対話を通じて地域のニーズを理解し、 企業活動への信頼獲得に努めました。 2020年度の社会貢献活動方針 |
当社グループでは2020年度の社会貢献活動方針を「地域コミュニティとのリレーションのさらなる強化」と定め、国内外の各事業拠点で地域に根差した活動を行いました。新型コロナウイルスの影響により活動の制限・制約はありましたが、創業時からの地域との共存共栄の精神を大切に、地域とのコミュニケーションの機会創出に取り組みました。
活動名 | 実施拠点 | 実施時期 | 内容 | |
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![]() 環境保全活動 |
工場周辺の清掃活動 | グループ各拠点 | 通年 | 工場周辺道路や地域河川流域の清掃活動を実施 |
JX金属製錬(株)佐賀関製錬所 | 2020年8月 | 幸崎海岸(大分県)の清掃活動を実施 | ||
マングローブ植樹活動 | TANIOBIS Co., Ltd. | 2020年10月 | 地域の施設にて、植樹活動を実施 | |
鞍掛山さくらの山づくり整備作業に参加 | 当社日立事業所 | 2020年11月 | 日立市主催の草刈りや枝払いなどの活動に参加 | ![]() 教育活動 |
工場見学会 | グループ各拠点 | 通年 | 近隣の小中高生らによる工場見学を受け入れ、工場の設備や仕事内容について説明を実施 |
インターンシップ受け入れ | グループ各拠点 | 通年 | 工業高・高専・大学生のインターンシップを受け入れ、実習や発表会を実施 | |
職能訓練 | 当社チリ事務所 | 2020年11月 | Tierra Amarilla市の住民を対象に職能訓練を実施(計275名が参加) | |
銅の紹介特別授業 | 当社フランクフルト事務所 | 2021年3月 | フランクフルト日本人国際学校での銅の紹介特別オンライン授業を実施 | |
![]() 地域振興 |
映画祭への出展 | 当社フランクフルト事務所 | 2020年8月 | ハンブルク日本映画祭(Japan Filmfest Hamburg)へ映画『ある町の高い煙突』を出展 |
起業支援コンクール開催 | SCM Minera Lumina Copper Chile | 2020年10月 | 新型コロナウイルスの影響で停滞した経済活動の活性化を目的とし、Copiapo市役所と共同で起業家支援を実施 | |
くろべフェア2020に参加 | JX金属三日市リサイクル(株) | 2020年11月 | 黒部市主催の地域産業イベントにて、オンラインの企業ブースを設け、事業紹介を実施 | |
クリスマスイベントへの参加 | SCM Minera Lumina Copper Chile | 2020年12月 | カセロネス銅鉱山近隣の学校、幼稚園の児童約500名にクリスマスプレゼントを配布 | |
地域ロータリークラブの活動に参加 | JX金属環境(株) | 2021年3月 | 大煙突と桜の歴史を描いた紙芝居『大煙突とさくらのまち』をJX金属環境社長が読み手役として登壇 | |
芸術展への協賛 | 当社フランクフルト事務所 | 2021年3月 | ニーダーザクセン州ゴスラー日本近現代写真展「過去と現在-日本写真の位置」開催への協賛 | |
![]() 地域社会への寄付 |
ペットボトルキャップ等の寄付 | JX金属探開(株) | 通年 | 収集したペットボトルキャップ、使用済み切手の寄付を実施 |
台風ローリー、ユリシーズによる犠牲者への寄付 | JX Nippon Mining & Metals Philippines, Inc. | 2020年11月 | 台風ローリー(フィリピン・ビコール地方)およびユリシーズ(ルソン島)による被災者支援のため、現地財団を通じて寄付を実施 | |
タール火山噴火被災者への寄贈 | JX Nippon Mining & Metals Philippines, Inc. | 2021年1月 | タール火山(フィリピン・バタンガス州)の噴火による避難者支援のため、寝具、生活用品、食料等を寄贈 | |
文房具等の寄贈 | TANIOBIS Co., Ltd. | 2021年2月 | こどもの日に合わせ、近隣の小学校・幼稚園に対して、ノート、玩具、自転車等を寄贈 |
宮田川の清掃活動(当社日立事業所)
ゴスラー日本近現代写真展「過去と現在-日本写真の位置」開催への協賛
カセロネス銅鉱山近隣の学校、幼稚園にクリスマスプレゼントを配布
2020年7月に発生した豪雨被害では、球磨川(熊本県)や筑後川(大分県)などが氾濫し、西日本を中心に広範囲にわたる浸水被害が発生しました。この災害で被災された方々の支援および被災地復興に役立てていただくため、ENEOSグループ(ENEOSホールディングス、ENEOS、JX石油開発、JX金属)より日本赤十字社を通じて各被災地に500万円の義援金を寄贈しました。被災地における1日も早い復興を心から祈念いたします。
2021年3月にフランクフルト日本人国際学校(JISF)にて「銅ってどんなもの?」と題した当社および非鉄金属業界を紹介する講義を行いました。これは、社会科見学として例年実施していた中学生の企業訪問が新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となったことから、これに代わるものとして、産業や社会について生徒さんが理解する機会を作りたいという学校からの要望にお応えする形で企画・実現したものです。
非鉄金属という生徒からは馴染みのないトピックをオンラインで講義するということで不安はありましたが、質疑応答では予想以上に多くの質問があり、真剣に聞いてもらえたことを嬉しく感じました。バイアスのかかっていない、生徒たちの純粋な探求心に刺激を受けました。
フランクフルトには自動車メーカーなどから多くの日本人駐在員が派遣されています。そんなメーカーの「卵」である生徒たちの記憶の中に、日本の非鉄金属分野も欧州で活躍していることが残っていけば嬉しく思います。ドイツ駐在中に知り合った子どもたちの中から、将来、非鉄金属業界へ入社する人が現れ、再会するようなことがあれば感慨深いですね。
JX金属(株)
フランクフルト事務所
田中 健太郎
例年、地域の小中学生を招いた工場見学会を開催するほか、高校生・高専生のインターンシップを受け入れています。小学生へは、銅を溶かす時の温度や大煙突についてクイズ形式で紹介し、高校生・高専生には秤量やサンプリング分析、設備点検など学生の学科に応じた内容で実習を行うなど、金属・リサイクル事業に対する理解を深めてもらうと同時に、安全・環境対策の大切さを身近に体感してもらうプログラムとなっています。
小学生の工場見学
煙突見学で望遠鏡を覗くインターン生
カセロネス銅鉱山を運営するSCM Minera Lumina Copper Chileは、2020年10月にコピアポの自治体との共同企画として、地域の小規模事業主を対象としたサポートを実施しました。これは新型コロナウイルス感染拡大の影響により麻痺してしまった地域経済の再活性化を目的とする経済支援プログラムであり、本企画を通して80名以上の小規模事業主がサポートを受けました。コミュニティの人々が日常を取り戻し、さらなる地域の発展を実現できるよう、今後も支援を継続していきます。
Copiapo市役所と共同で起業家支援を実施
グローバルに事業を展開する当社グループでは、現地雇用を通じて、地域経済・地域社会の発展に貢献していくことが、地域との良好な関係を構築する上で重要な役割を果たすと考えています。重要な海外拠点での現地雇用者における上級者管理職の割合は、男性8%、女性11%となっています。
当社グループでは新型コロナウイルス感染拡大防止にかかる取り組みとともに、さまざまな社会貢献活動を実施しています。
① 社会の一員として感染の拡大防止に万全を尽くし、お取引先様、地域社会の皆様、従業員とその家族の安全確保を図ります。
② 先端素材をはじめ、社会に必要不可欠な製品を届ける社会的責任を認識し、各拠点の特性に応じた感染予防対策を講じることにより、事業の継続に努めてまいります。
当社は2020年6月、新型コロナウイルス感染症に関する支援として、「知的財産に関する新型コロナウイルス感染症対策支援宣言」の趣旨に賛同し、参画しました。本宣言は、新型コロナウイルス感染症のまん延終結を目的とした行為に対し、権利者が保有する特許権・実用新案権・意匠権・著作権の権利行使を行わないことを宣言するものです。2021年6月には、新型コロナウイルス感染症のまん延が終結していない状況を鑑み、宣言の期間を延長することを表明しました。
当社は2020年5月、新型コロナウイルス感染拡大防止や今後の地域活性化などのために、当社の主要製造拠点が所在する茨城県北茨城市、日立市、神奈川県高座郡寒川町および大分県大分市の各自治体に対し3千万円ずつ、合計1億2千万円を寄付しました。各事業所には従業員および協力会社の社員が1,000名規模で在籍しています。これらの社員も地域社会の一員として、新型コロナウイルス感染拡大防止や今後の地域活性化などのために活動を続けています。
神奈川県高座郡寒川町での寄付の様子
カセロネス銅鉱山の運営会社であるSCM Minera Lumina Copper Chileは、2020年4月、現地のアタカマ保健局に対して新型コロナウイルスの簡易検査キット200個を、現地のアタカマ大学医学部に新型コロナウイルスPCR検査のためのサンプル採取装置2台を寄贈しました。また、8月には妊婦のケア向上を目的として、アタカマ保健局に超音波検査器や血流計、蘇生モニター等を寄贈しました。これらの寄贈に対し、アタカマ州知事Patricio Urquieta氏、アタカマ保健局長 Claudio Baeza氏より感謝の意が寄せられました。
アタカマ保険局へ物資を寄贈した際の様子