2006年の権益取得以降、当社グループが中心となって開発を推進してきたカセロネス銅鉱山では、2014年5月に銅精鉱の生産が開始されました。また、ロス・ペランブレス、エスコンディーダといった世界有数の銅鉱山に出資しており、2020年度の権益銅生産量は合計で約19万トンとなっています。
JX金属(株)
執行役員 資源事業部長 金属・リサイクル事業部審議役 技術本部審議役
正木 信晴
カセロネス銅鉱山においては、新型コロナウイルス感染防止対策や使用する水量のバランスを考慮しつつ、最適な操業体制を維持しました。また、さらなる安定・効率操業に向けて、推進組織の横断的な活動を通し、自動制御システム導入をはじめとした操業の改善を図るとともに、設備のメンテナンスや資材調達の効率化を推進しました。採鉱部門労働組合との労使交渉において、8月にストライキが発生した影響により生産量が減少したものの、2021年度は銅価格の上昇を主因に増益となりました。
一方、降水量の減少を受け、ロス・ペランブレス銅鉱山では、下期は使用水量を抑えた操業となり、前期より減産となりました。
新規鉱山開発案件においては、川下事業のための原料の安定確保という観点から、部門横断的なプロジェクトチームを発足させ、タンタル・チタンを中心に具体的な案件の評価・検討を進めました。
JX金属(株)
執行役員 資源事業部長 金属・リサイクル事業部審議役 技術本部審議役
正木 信晴
カセロネス銅鉱山においては、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策を継続しつつ、操業重点課題に対するアクションプランの確実な実行により、さらなる操業のレベルアップとコスト改善を推進し、収益力を強化していきます。
ロス・ペランブレス銅鉱山においては、2019年度より開始した増強計画の完工に向けて注力し、新規案件の発掘・推進についても、当社の中下流事業における将来のニーズへの安定的な原料供給を実現すべく、レアメタルや珪酸鉱を含めた多様な鉱種で国内外において調査・検討を進め、事業化を目指します。
現在当社グループでは、鹿児島県枕崎市にて春日・岩戸鉱山を操業、含金珪酸鉱を採掘し佐賀関製錬所へ供給しています。含金珪酸鉱は、銅製錬時の副原料である珪酸鉱に微量の金が含まれた鉱石で、銅製錬所の安定操業のみならず、当社のベース事業における収益性維持にも貢献しています。資源事業部では、新規含金珪酸鉱鉱山開発に向け、春日・岩戸鉱山周辺地域で2018年度より探鉱活動を推進してきました。2021年度は、これまでの調査によって抽出された有望鉱徴地において鉱量および金量を把握するため、詳細な地表調査や地化学探査、物理探査を実施し、地表および地下の鉱体形状、さらに地表金品位分布などを推定しました。
物理探査の様子