ニュースリリース
2020年度
2020年8月 7日
JX金属株式会社
株式会社ロータス・サーマル・ソリューションとの協業について ―放熱部材向け多孔質金属材料「ロータス金属」の実用化を目指して―
JX金属株式会社(社長:村山誠一、以下「当社」)は、放熱部材向け多孔質金属材料であるロータス型ポーラス金属(以下「ロータス金属」)の実用化に向け、大阪大学発のスタートアップ企業である株式会社ロータス・サーマル・ソリューション(社長:井手拓哉、以下「LTS社」)が第三者割当増資で発行する株式の取得により同社に資本参画し、協業を開始いたします。
今日の社会では、自動車の電装化や電子機器内のデータ処理量の上昇などに伴い機器の発熱量の増大が進んでおり、これに対処するための熱を制御する技術への関心が高まっています。このような背景の下、より高い放熱性能や冷却性能を持つ部材への需要が高まることが見込まれております。
LTS社の設立者によって開発されたロータス金属は、一方向に連続して伸びた細孔を持つ金属材料であり、溶融した銅などの金属の中に水素ガスを溶解させ冷却・凝固することで作製されます。比表面積が大きく冷却性や放熱性に優れていることから、ヒートシンクの部材などへの応用が期待されており、従来の部材を使用した場合と比較して、放熱性能を4~5倍向上させることが確認されています。
このたびの協業では、当社が持つ銅を中心とした金属素材の扱いに関する要素技術・量産技術を活かすことで、LTS社によって開発された優れた性能を持つ材料の実用化を図り、大型サーバーに用いられる高性能CPU・EV(電気自動車)向けバッテリー・電子機器の冷却器などへ採用を目指します。
今後も当社は、パートナーとの共創による新規事業創出に積極的に取り組み、革新的な電子デバイスに不可欠な先端材料の提案・提供を通じて、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
以上
<図1:LTS社の概要(2020年8月7日現在)>
会社名 |
株式会社ロータス・サーマル・ソリューション |
所在地 |
大阪市北区梅田1丁目1-3-267 |
代表者 |
代表取締役社長 井手拓哉 |
事業内容 |
ロータス型ポーラス金属を用いた高性能ヒートシンクの製造・販売 |
設立 |
2016年1月 |
<図2:ロータス金属>
<図3:ロータス金属の用途例(CPUの冷却装置)>