従業員が個々の能力を発揮し、心身の健康を保つことで生み出される活力に満ちた職場は、企業の持続的な成長を確保する上で欠かせません。当社グループでは、労働安全衛生の確保や適正な人事評価制度、人材教育など、多様な視点から魅力ある職場づくりに取り組んでいます。
評価: 達成・順調 未達
KPI | 2020年度実績・進捗 | 評価 |
---|---|---|
重大な労働災害発生の低減: 2020年度年千人率(休業4日以上)0.7以下 |
2020年度の年千人率は1.1となりました。災害発生の事実を 厳粛に受け止め、リスクアセスメントの実効性向上や、事故原因 究明のための従業員の能力向上等を通じて、安全衛生マネジメント システムの継続的な改善に取り組むとともに労働災害防止に努めていきます。 安全文化の醸成 / ESGデータ集(労働安全衛生) |
|
年休取得率の向上: 2020年度80%以上 |
年休を取得しやすい職場環境の醸成や年休奨励日の増設などに 取り組みましたが、柔軟な勤務への制度変更や新型コロナウイルス 感染拡大による外出規制の影響を受け年休取得率は73%となりました。 今後はさらなる取得向上に向けた働きかけを実施していきます。 ダイバーシティの推進 |
|
人と組織の活性化に向けた 取り組みの実施 |
当社本社移転に伴うABWやコミュニケーション活性化の諸施策 の導入、高度専門人材やシニア人材の確保・活用などを通じ多様な 人材が活躍できる環境の整備を進めました。また、キャリアデザイン 研修の導入などにより従前の教育体系のさらなる充実を図りました。 人材育成・健康増進 / ESGデータ集(人材育成) |
|
健康増進に向けた取り組み: 2020年度がん検診受診率70%以上 |
医療機関側の新型コロナウイルス感染対策としての受け入れ 制限などを受け、受診率は54.7%となりました。2021年度からは 人間ドック・がん検診受診のための特別休暇の付与を始めており、 今後も受診環境の整備に取り組んでいきます。 人材育成・健康増進 |
|
障がい者雇用率の維持・向上: 2020年度2.3%以上 |
人材の多様性が企業の成長につながるとの考えのもと、高齢者、 障がい者、女性、キャリア人材など多様な人材の採用に積極的に取り 組んでいます。2020年度の障がい者雇用率は2.19%となりました。 今後も各種施策の検討を継続します。 ダイバーシティの推進 / ESGデータ集(ダイバーシティ) |
私たちは、JX金属グループの全ての事業領域で働く人の安全と健康を守ることを最優先し、安全・安心かつ健康的に働ける環境づくりにより、魅力ある職場を実現します。
1. 安全衛生関連法規を遵守するとともに、そのために必要な自主基準を設定して厳格に管理・遵守する。
2. 労働安全衛生マネジメントシステムの継続的な改善、向上に努め、安全衛生目標を達成する。
3. 積極的な情報提供と教育を行い、自ら考え、行動する人材を育成し、以て安全衛生意識を組織的に向上させる。
4. 全ての事業領域において危険源の特定と、その除去・リスクの低減に取り組み、年度毎の災害削減の達成を積み重ね、究極的な目標である永続的な災害ゼロを目指す。
5. 良好なコミュニケーションと快適な職場環境の確保、および健康維持・疾病予防に係る施策の推進により、心と身体の健康維持増進を図る。
当社グループでは、各事業所・グループ会社に労働安全衛生法に基づく安全衛生委員会等を設置しています。また、マネジメントシステムの枠組みの中で常駐協力会社も含めた労働者と協議する仕組みを設けています。当社本社においては、各事業部・事業所の代表者(安全担当基幹職および労組支部委員長)が出席する中央安全衛生委員会(年1回)および上記代表者の内、常任委員(各事業部安全担当管理職および中央労組三役)が出席する中央安全衛生常任委員会(年5回)を開催し、安全衛生諸施策の総括と安全衛生管理方針の審議、災害の再発防止策などについて協議しています。さらに、安全衛生に関する情報交換を目的として、労使合同安全衛生巡視(年1回)、安全担当者会議(年2回)、安全実務者層を対象とした研修会(年1回)、
外部講師による安全講演会(年1回)を開催していますが、2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、対応可能な会議体はWEB開催し、一部会議体は開催を断念しました。
当社直轄事業所(事業所内のグループ会社含む)および国内主要グループ会社では、当社社長直属のチームによる定期的な環境安全監査を行っています。抽出した問題点は当社社長に報告後、事業所に通知して改善を促すとともに、その後の対応状況についてもフォローしています。2020年度は11事業所を対象としていましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により現場監査まで終了したのは3事業所のみとなりました(書類監査についてはWEB開催で全事業所実施)が、重大な指摘事項はありませんでした。書類監査のみとなった事業所については、2021年度に延期して現場監査を実施する計画としています。
なお、当社グループでは国内11事業所、海外2事業所でOHSAS18001の認証を取得していましたが、ISO45001発効に伴うOHSASの廃止(2021年3月)に対応するため、OHSマニュアルをはじめとする各種マネジメント文書の改訂・新規作成に取り組み、計画的に切り替えおよび新規取得を進めており、安全衛生水準のさらなる向上を目指しています。既に、2021年3月までに国内6事業所(取得予定事業所の35%)、海外5事業所でいずれも自主的に認証を取得しており、2021年度も計画に沿って認証取得を推進します。
・日立事業所(技術開発センター、構内関係会社を含む)
・JX金属製錬(株)佐賀関製錬所(構内関係会社を含む)
・JX金属プレシジョンテクノロジー(株)那須工場、掛川工場
・JX金属三日市リサイクル(株)
・東邦チタニウム(株)茅ヶ崎工場
・JX Nippon Mining & Metals Philippines, Inc.
・台湾日鉱金属股份有限公司(龍潭)
・TANIOBIS GmbH
・TANIOBIS Co., Ltd.
・TANIOBIS Smelting GmbH & Co. KG
※1 国内は、JIS Q 45100(国際規格であるISO45001の要求事項に日本独自の要求事項を加えたJIS規格)の認証取得済み事業所
※2 ISO45001では、協力会社社員も含めた、職場で働くあらゆる人を対象としています。また、働く人がインシデント、危険源、リスク等の報告を行う時に報復から擁護することをコミットメントしています
当社グループでは、前年の安全衛生成績の解析結果に基づき、目標と重点施策を定めた「安全衛生管理方針」を毎年策定し、中央安全衛生委員会で審議・承認した後、グループ全社に展開しています。
1. 休業以上災害:ゼロ
2. 爆発・火災事故:ゼロ
3. 業務上疾病:ゼロ
4. 一般疾病休業率:過去3年間平均実績の90%以下
・本質安全化の推進
・安全衛生教育の拡充
・工事の安全管理強化
・心と身体の健康維持・促進
「重篤な災害」の未然防止のため、本質安全の観点を第一とした改善を計画的に推進する。
当社グループの各事業所では、マネジメントシステムに基づきリスクアセスメント活動を展開しています。事業所のリスクについては、「ハザード(危険源)の特定」「災害シナリオの想定」「リスク評価」および「必要なリスク対応(リスク低減措置はまずハード対策を検討し、対応不可な場合のみソフト対策を実施)とその有効性評価」のPDCAサイクルを回すことにより管理しています。
2020年度はリスクアセスメントの実施状況確認とレベルアップ教育、現地フォロー等を予定していましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により現地指導が実施できず、環境安全監査の書類監査の中で抜き取り確認、指導を実施しています。
リスクアセスメントのレベルアップについては今後も継続して取り組むべき課題であり、残留リスクの管理含め、リスク低減の進捗見える化にも着手しました。
当社グループでは、安全上の重要課題の一つに「重機と人との接触事故防止」を挙げています。重篤な災害につながりやすい接触事故を防ぐため、2018年度から導入を進めているRFIDを活用したシステムに加え、2020年度は当社倉見工場において、インテリジェントカメラを用いた人検知システムの実証試験(作業者がフォークリフトに接近した際に重機運転者に警告を発報)をIoT/AI施策の一環として行い、運用を開始しました。
フォークリフトのカメラ設置状況
当社グループでは、請負職場であるか否かに関わらず、労働者の健康障害を防止するため、作業環境の測定や評価を行い、その結果に基づいて作業環境を改善しています。
なお、作業環境の測定結果およびその評価に基づく対策の樹立に関すること、左記のリスクアセスメントの結果等は、労働安全衛生法に基づき安全衛生委員会の付議事項として調査・審議しており、議事の概要を書面等で関係労働者に周知しています。
海外のグループ会社においては、所管事業部ごとに重点テーマを定め、活動を展開しています。
安全成績向上に向け、安全基準遵守を徹底し保安技術や保安意識の向上を図る取り組みを継続して進めています。また、カセロネス銅鉱山においては宿泊キャンプ、食堂、スポーツジム(新型コロナウイルス感染拡大を受けて現在閉鎖中)、売店等の労働サービスを提供しています。さらに、新型コロナウイルス感染予防のため、入構前の体温チェック、現場勤務開始前の抗原検査、構内設備の清掃、食堂や通勤バスでのソーシャルディスタンスの確保などの対策を徹底して行っています。
カセロネス銅鉱山食堂にて飛沫感染防止用パーティションの設置の様子
日本の安全活動をベースに、当該国の法律、制度に則った積極的な安全活動を推進しています。具体的には、危険源に着目したリスクアセスメントの推進や、日本の危険体感教育センターを参考に、現地の実態に合った危険体感教育センターを開設し、安全教育に活用しています。
危険体感教育設備(安全靴の踏抜き体感の例)
(日鉱金属(蘇州)有限公司)
危険源に着目したリスクアセスメントを通して具体的な対策を計画的に実施する活動に重点を置くとともに、安全の基本である5S活動にも注力しています。また、一部の事業所では現地の実態に即した内容のバーチャルリアリティー(VR)システムを導入し、安全教育に活用しています。
VR体感教育
(台湾日鉱金属股份有限公司)
高所作業のルール再確認や過去災害の分析と対策の水平展開、各事業所内の安全巡視強化、想定ヒヤリハット活動を推進しています。また、リスクアセスメントの見直しや安全の基本である5S活動にも注力しています。
当社グループでは、従業員一人ひとりの「危険感受性」を高め、安全意識を向上させるため、茨城県日立市に「危険体感教育センター」を設置し、安全教育を実施しています。危険感受性とは「危険を危険と正しく感じる」感覚のことであり、これを研ぎ澄ますことによって「危険なことに手を出さない」という行動に結び付けることができます。
実際に発生する労働災害の多くが過去事例の再発(類似災害)であることから、当施設では、過去に発生した労働災害の疑似体験を通じて危険性への理解、危険感受性の向上を図るプログラムを用意しています。さらに、新たにVR技術を活用した教育カリキュラムを導入し、実際には体験できない「り災体感」を可能にするなど、労働災害の未然防止に継続して取り組んでいます。
また近年、社員の労働災害は減少傾向にある一方、協力会社社員の労働災害が課題となっています。そこで、主要工場にミニ体感教育施設を導入し、社員だけでなく、協力会社社員の危険感受性、安全意識向上に努めています。
危険体感教育センターとミニ体感教育施設が一体となり、従業員の労働災害撲滅を図ります。
VR体感教育の様子
当社では、危険体感教育設備の各事業所への導入とともに、実際に発生した事故災害をベースにした安全教材「災害再現動画」を制作し、グループ会社を含む各事業所に配付して安全意識や危険感受性の向上に取り組んでいます。
災害再現動画は、グループ内外で実際におきた災害事例を教材としており、災害の悲惨さ、原因と対策について学ぶことができるほか、グループ各社のコミュニケーションツールとしても機能しています。
高所からの転落事例
当社グループでは、事業に携わるすべての人の安全と健康を確保し、安全最優先の意識と危険感受性の高揚に努めています。安全教育においては、国内外グループ会社の全従業員を対象に、eラーニングでの研修を定期的に実施しています。安全の基本と心得を短時間で身に付けられる内容となっており、2020年度は2,921名が受講し、受講率は73%でした。
eラーニングの画面(階段からの転落)
当社グループは、人材の多様性・働き方の多様性を尊重しています。国内外の諸法令の定めに従い、高齢者雇用、障がい者雇用、女性の活躍推進などに取り組むとともに、LGBTQ+に関する制度整備なども進めています。また、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」に基づき、2020年度までの5ヵ年計画を策定し、取り組みを進めました。
当社では「人と組織の活性化」の一環として、多様な人材がやりがいを持って働くことができる環境整備を積極的に進めています。妊娠・出産、育児・養育、介護などの事情を抱えていても、持てる力を十分に発揮して働くことができる環境の実現に取り組んでいます。出産や育児に関係する制度では、法定基準の制度に加え独自の制度を設けています。また、利用できる公的サービスや会社制度の紹介に加え、両立におけるポイントや上長が果たすべき役割などをまとめた『育児・介護両立支援ハンドブック』を作成し、社内に展開しています。2019年度には次世代育成行動計画に関する認定マーク(通称:くるみん)も取得しています。
当社では、「多様な人材がやりがいを持って働くことのできる環境整備」の取り組みの一環として、在宅勤務制度を2018年1月より導入しています。コロナ禍においては感染状況および官公庁の要請等を踏まえ、必要に応じて目標となる出社率を定めています。製造拠点(工場等)においては、事業遂行上、出社を必須とする社員が大半となることから出社率の目標値等は設定していませんが、部署の特性に応じて在宅勤務の活用を行っています。海外拠点においては、所在国・地域の状況に応じた感染予防対策を講じており、出社制限等も拠点ごとに判断して対応しています。
社会の一員として新型コロナウイルス感染拡大防止に万全を尽くし、取引先、地域社会の皆様、従業員とその家族の安全確保を図るとともに、社会に必要不可欠な製品を届ける社会的責任を認識し、事業の継続に努めます。
社員のより自律的な働き方を推進していくことを目的に、現行のコアタイムを設定しているフレックスタイム制度に加えて、本社および磯原工場の一部においてはコアタイムを設けないフレックスタイム制度を導入し、併せて対象時間を拡大(7時~22時から5時~22時へ拡大)しました。
JX金属戦略技研(株)の設立に伴い、当社グループの人事制度の枠にとらわれないフレキシブルな雇用体系を導入し、高度専門人材やシニア人材の確保・活用を開始しました。
当社では、多様な人材が活躍できる職場づくりを進めていますが、特に女性社員の活躍に関しては、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」に基づき、2020年度までの5ヵ年計画を策定して、取り組みを進めました。
目標の最終年度である2020年度は、在宅勤務の拡充、コアタイムのないフレックスタイム制の導入、託児所の利用拡充などによる就業環境の整備を行いました。2021年度以降も新たな行動計画を策定しており、一層女性活躍の機会の創出に力を入れていきます。
クリックして拡大
法定制度 | +JX金属の場合 | |
---|---|---|
休暇 |
|
|
休業 |
|
|
勤務措置 |
|
|
技術開発センターには技術系職種の女性が多数在籍しており、現在も数名が育児休業を取得中です。私は分析グループという事業所内の排ガス・排水分析、作業環境測定を行う部署に所属しており、産育休取得後、現在は時短勤務をしています。出産前には職場で開催された女性活躍フォーラムに参加し、他事業所の女性社員と交流したり、復帰後に受講した5年目研修のキャリア自立プログラムは長期的なキャリア設計について考えるきっかけとなりました。
職場の皆さんとのコミュニケーションを以前よりとるよう心がけ、仕事の進捗を共有するようになり、限られた時間内でタスクをこなせるよう工夫する癖がつきました。今後は、会社の育児補助制度なども活用しながら、誰もが使いやすい分析システムや情報管理等の運用を検討していきます。
JX金属(株)
日立事業所
技術開発センター
分析グループ
當房 実咲
2040年長期ビジョンで掲げる技術立脚型経営に向け、付加価値創出型人材の確保・育成を進めています。
当社では、2016年度より人材育成の基本方針として「人と組織の活性化」 を大きく掲げており、「マネジメント能力開発」「専門能力開発」「国際化能力開発」「自己啓発」と「その他能力・意識開発」 という5つの柱でさまざまな教育を実施し、幅広く人材育成に努めています。また、従業員一人ひとりの意識改革・能力向上を図るため、新規教育制度としてキャリアデザイン研修を開始したほか、当社のDNAを学ぶ研修や各種支援も用意しています。
クリックして拡大
入社後5年目までの大学・大学院卒社員を対象に、ビジネスパーソンとしての基本スキルを習得する「新入社員研修」、キャリアビジョン構築などを図る「5年目研修」など、多岐にわたる研修を行っています。
グローバルに活躍できる人材を育成するために、国際化教育を推進しています。「2年目海外研修」では海外の語学学校などに8週間派遣し、語学習得のみならず異なる文化や価値観に触れ、世界に通用する柔軟な思考を養うことを目的としています。
社員自らが希望する外部研修プログラムを申請して受講し、プログラム修了時に会社が費用の半額(上限50万円/1プログラム)を補助する制度です。幅広いプログラムの選択が可能なため、社員の自己啓発意欲に従来以上に応えることができるプログラムとなっています。
2020年度より体系的なキャリア形成教育を実施することとしています。この一環として、若手社員向けにキャリアの描き方を学ぶ「キャリアデザイン研修」を開始しました。
資源に源流を持ち地球環境や地域社会に対して直接責任を担う一員としての自覚を持つとともに、自らの価値観と重ね合わせ、ESG経営を担う中核人材を育てることを目的とした研修です。
当社が長期ビジョンで掲げる「付加価値創出型人材」の育成のため、社員が内発的動機付けにより動ける状態を作りたい、そのためには一人ひとりが自分のキャリアを考える必要があると考え、研修を企画しました。私自身、「自分のキャリアが描けない」「結婚や出産を経験しても働き続けられるのか不安」という声を耳にし、安心して働き続けるためにどうすれば良いかという思いを込めました。受講生からは、「自分の人生とキャリアを考えるきっかけになった」「経験者の声を聞けて参考になった」という声をいただく一方、より仕事にフォーカスを当てて考えたいという声もありました。
現在フランクフルトに駐在していますが、駐在員事務所は一人ひとりに大きなミッションがあるので、皆さんが安心して働き続けられるようコミュニケーションをとり、ニーズに応えていきたいです。
JX金属(株)
フランクフルト事務所
井伊 菜月
当社は、健康と安全は最重要事項との認識のもと、従業員の心身の健康維持増進により、日常生活における活力向上と組織の活性化に資するべく、諸施策を推進しています。法令で定められた定期健康診断、メンタルヘルスストレスチェック、およびこれらデータの一元管理体制の確立、定期健康診断の費用補助・人間ドック代用制度の運用を行っているほか、2021年度に人間ドック・がん検診受診のための特別休暇の付与を開始しました。
メンタルへルスにおいては、メンタル不調未然防止策として、従業員が気軽に産業医に相談できる体制を整えています。また、海外駐在員とその帯同家族に対して、専門の医師に日本語で体調の悩みを相談できるオンライン健康相談サービスを用意しています。さらに全員実施をしているストレスチェックについては、2021年度より設問数を増やし、より精緻なストレスレベル分析ができるようにしています。
なお、新型コロナウイルス感染防止に関しては、在宅勤務の活用などの諸施策を日常的に継続するほか、感染防止やロックダウン等で高ストレスの生活を余儀なくされている海外駐在員とその家族を対象とした特別帰国休暇制度の運用、当社本社および国内主要事業所での職域接種の実施などを行っています。
当社本社における職域接種の様子
当社では、多様な人材が働きやすい環境を整備するため、各種制度の強化を図っています。出産・育児関連では、男性の育児休業取得者が年々増えており、それをサポートするために配偶者が出産した男性社員に育児に関する制度やサービス等を伝えるようにしています。またフレックスタイムや在宅勤務、育児補助等の制度は全社員が生活スタイルに応じて柔軟に活用できることを意図して設計しています。介護に関しては、近年介護補助の利用が増えており、将来の介護人口増加に備え、必要なサポートをしていきたいと考えています。
多様な人材の活躍に向けては、働きやすさだけではなく、働きがいも重要であると考えています。女性管理職を外部研修に派遣し女性活躍推進への取り組みを積極的に進めているほか、キャリア採用者数や外国籍社員数も増加していることから「地域との共存共栄」「一山一家」「仕事本位」「積極進取の気風」などの共通言語となる当社のDNAについて、理解を深めていく必要があります。過去実施していた日鉱記念館や休廃止鉱山の見学だけでなく、今後は当社DNAについて学ぶことができるようなプログラムを構築していく予定です。
今後も社員一人ひとりが最大限に力を発揮できるよう取り組んでまいります。
JX金属(株)
人事部
安藤 智彦