長年培ってきた高度な金属加工技術を駆使し、フレキシブル回路基板等に使われる圧延銅箔や、コネクター・半導体リードフレーム等に使われるチタン銅、コルソン合金、りん青銅といった高機能銅合金条の供給、貴金属めっき・プレス加工等をグローバルに展開しています。
JX金属(株)
常務執行役員 機能材料事業部長 技術本部審議役
百野 修
新型コロナウイルス感染拡大、働き方改革の進展等により、テレワーク・オンライン教育の普及など生活様式の変化が進んでおり、スマートフォン・タブレット・PC等の電子デバイス分野、基地局・データセンター等の通信インフラ分野をはじめ、当社製品の主力市場は引き続き需要が拡大しました。それに対し、2020年度に稼働を開始した圧延銅箔・銅合金条増産設備について、年間を通じてフル生産を継続、足元の需要拡大に対応し増産・増販を達成しました。今後も拡大する需要に対し、さらなる効率化・生産性改善の実現、グループ各拠点における製造設備の増強等により、生産体制の拡充および事業基盤の強化を進めていきます。
JX金属(株)
常務執行役員 機能材料事業部長 技術本部審議役
百野 修
当社の高機能材料に対する需要は、中国における新型コロナウイルス感染拡大に伴うロックダウンの影響による需要の先行き不透明感はあるものの、電子デバイス・通信インフラ向け等最先端分野においては、引き続き需要が拡大しており、当社高機能材料に対する需要も拡大が継続しています。
また、SDGs・ESGや脱炭素社会が進展する中で、電気自動車・電動車市場、リサイクル・省エネ関連向け等、新たな用途での需要の拡大、求められる材料特性の高機能化・多様化が予想されます。当社としては、市場のニーズの変化を先読みした市場開発・技術開発を推進していくとともに、拡大する需要に対し、さらなる生産体制の強化に努めます。
FPC(フレキシブルプリント基板)向け圧延銅箔の需要拡大に対応するため、2022年1月にJX Nippon Mining & Metals Philippines, Inc.(JXフィリピン)において圧延銅箔表面処理の設備導入が完了、稼働を開始しました。本投資の立ち上げにあたり、設備メーカーの技術者がコロナ禍における入国制限によりフィリピンへの入国が困難な中、リモートでの立ち上げを実現し、量産稼働を開始することができました。
本投資は、グループ全体での生産能力増強を実現すると同時に、これまで日立事業所に偏っていた生産能力に対して、JXフィリピンでの生産能力増加によりBCP強化にも貢献するものとなります。
当製品は、世界でもトップシェアを有しており、今後とも社会が必要とする素材を提供していくため、市場の動向に即した供給体制を構築し続けます。
圧延銅箔表面処理の設備