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金属を加工する

Processing Metals

金属は様々な形に加工ができ、その方法は様々です。熱して溶かした金属を型に流し込んで冷やし固める「鋳造」、熱や圧力で2つ以上の部材を溶融・一体化させる「溶接」、工具を使って金属を切り削る「切削」、金属を機械やハンマーなどで叩き強度を高めて形をつくる「鍛造」、金型に金属を挟み機械で圧力をかけて金型の形に形成する「プレス加工」など、さまざまな加工方法があります。
ここでは、主な加工方法の3つを紹介します。

1複数の金属を混ぜる

金属は複数の元素を混ぜることができ、これを合金といいます。その種類や割合によって、強度や融点、磁性(磁場に反応する性質)、導電率(電気の通しやすさ)、耐食性(さびにくさ)、色などの性質が変化します。

混ぜる元素の種類、割合、混ぜ方によって合金の種類は数多く存在し、現在も新たな合金の研究開発が進められています。

日本の硬貨は、100%アルミニウムの1円玉以外は銅に他の金属を混ぜた銅合金です。また、銅像は、銅にすずを混まぜた青銅が使用されています。

銅と亜鉛の合金は黄銅といい、真鍮とも呼ばれています。加工がしやすく、食器や美術品など様々なところで使用されています。金管楽器の別名であるブラス(brass)は黄銅の英名に由来しています。

アルミに銅、マグネシウムなどを混ぜると、航空機などの構造材に使用される「ジュラルミン」になります。

鉄に非鉄金属元素を加える合金もあります。アクセサリーによく使われるニッケルや、錆びにくく鉄道車両や自動車、包丁などにも使われるクロムを混ぜた「ステンレス鋼」などが代表例です。

2力を加えて形を変える

力を加えると変形する金属の性質を利用した加工方法には、工具で押し潰す鍛造(たんぞう)加工、型枠に入れて圧力をかける押出加工、引っ張り力を使った引抜加工などがあります。
ここでは、2本のロールで挟む圧延加工を例に、加工の工程を紹介します。

①加熱した厚み約20cmの金属の塊(インゴット)にロールで何度も圧力をかけ、約1cmまで薄くします
②①に引っ張る力とロールの圧力をかけて、常温でさらに延ばします
③材料を再び過熱して、再度加工できるようにします
④もう一度ロールで圧力をかけ、表面や品質を精密に仕上げます

3粉末にして形をつくる

金属粉末は様々な方法でつくられ、その方法によって特性も変わってきます。
この金属粉末を型に入れて圧力を加えて固め、高温で「焼結」して金属製品をつくります。

①素材となる元素を粉末にして混ぜ、成分が均一な粉末をつくります
②①を金型に入れ、圧力をかけて形をつくります
③②を高温で焼き固めると、金属の粉一つ一つが結合して硬くて丈夫な製品ができあがります

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