ニュースリリース

2019年度

2019年12月24日

JX金属株式会社

OxMet Technologies Ltd.の株式取得について

 JX金属株式会社(社長:村山誠一、以下「当社」)は、金属3Dプリンター向けの合金設計等の事業を行う英国のスタートアップ企業OxMet Technologies Ltd.(以下、「OxMet社」)の株式25.1%を620万ポンド(約9億円)で取得する契約を、本年12月23日に同社と締結いたしました。

 

 OxMet社は、2017年に設立された英国オックスフォード大学発のスタートアップ企業で、チタンおよびニッケルを主体とした金属3Dプリンター向けの合金設計、設計した新合金のライセンスビジネス等を行っています。オックスフォード大学の20年以上の合金研究を元に、機械学習と冶金学理論モデルを組み合わせた独自のシミュレーション技術を有しており、データがあれば極めて短期間で新合金の設計が可能です。さらにOxMet社は、今回の契約締結にあわせ、同じく金属3Dプリンター装置のための独自ソフトウェア開発を行う英国スタートアップ企業Betatype Ltd. の全株式を取得する予定としております。

 

 金属3Dプリンターは、複雑形状の造形が可能であることや、少量生産、オーダーメードにも対応できるなどの利点があることから、今後の市場規模の拡大が期待されています。これに併せ、その材料となる金属粉末材料のニーズも高まることが予想されますが、その製造開発にあたっては、金属3Dプリンティング特有のプロセスに最適な合金設計および、造形装置を制御するためのソフトウェア開発が鍵となります。今後の出資を機に、こうした領域の先端技術を保有するOxMet社と、長年培ってきた多様な金属材料の製造開発力に強みを持つ当社グループとが密に連携することで、お客様からの幅広いご要望にワンストップでお応えできる体制を構築し、業界をリードする存在となるべく成長を目指してまいります。また、当社としては、成長著しく優秀な冶金・ソフトウェアエンジニアが多数在籍するスタートアップ企業である同社や、同社と協力関係にあるオックスフォード大学に当社エンジニアを派遣することで、次世代の技術開発を担う人材の育成も行っていきます。

 

 当社は、本年6月に発表した「2040年JX金属グループ長期ビジョン」において、「フォーカス事業」における新規事業の創出にあたっては、スタートアップ活用や産学連携を積極的に推進していくこととしており、本案件は海外におけるその展開事例となります。今後も当社は、フォーカス事業の育成・強化のため諸施策を展開し、先端素材の提案・提供を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

以 上

 

<参考>

◆  OxMet社の概要(2019年12月1日現在)

会社名

OxMet Technologies Ltd.

所在地

Unit 15, Oxford Industrial Park, OX5 1QU, UK

代表者

CEO Michael Holmes

事業内容

•チタンおよびニッケルを中心とした合金設計

•設計した新合金のライセンスビジネス

•構造材合金のコンサルティング業

設立

2017年(Oxford大学発のスタートアップ企業)

 

◆  Betatype社の概要(2019年12月1日現在)

会社名

Betatype Ltd.

所在地

Unit 4 Bow Enterprise Park, 17 Fittleton Gardens, London, E3 3TZ, UK

代表者

CEO Sarat Babu

事業内容

3Dプリンティングの導入支援、ソフトウェア開発

設立

2012年