ニュースリリース

　

　ＪＸ金属株式会社（社長：村山誠一、以下「当社」）の関係会社であるTANIOBIS GmbH（CEO：飯田一彦、以下「TANIOBIS社」）^（※1）は、車載用リチウムイオン電池（LiB）に使用される材料の回収および再利用に関する共同研究開発を目的としたコンソーシアム"HVBatCycle"（以下「本コンソーシアム」）へ参画することを決定いたしました。当目的の達成に向けて、当社、TANIOBIS社、JX Metals Circular Solutions Europe GmbH (CEO：丸川和之、以下「JXCSE社」）^（※2）はグループ一丸となり取り組んでまいります。

　

　本コンソーシアムでは、電池を構成する正極材、電解液、グラファイトのクローズドループ・リサイクル^（※3）に関する手法を研究・開発します。過去3年間にわたり、Volkswagen AG（フォルクスワーゲングループ）の主導の下、ドイツ国内の産業界およびアーヘン工科大学、フラウンホーファー研究機構などの学術機関が共同で、本プロセスに関する調査や研究を行っておりました。今般これを発展させ、ドイツ連邦経済・気候保護省（BMWK）の支援の下で、本コンソーシアムが結成されました。

　

　当社グループも、使用済み車載用LiBに含まれるレアメタルのクローズドループ・リサイクル実現に向けた技術開発を進めており、既に電池原料として直接使用できるグレードの金属塩を、車載用LiBから取り出す技術を確立しています。今般、EVの普及拡大に向けて産官学の取り組みが活況を呈する欧州において、車載用LiBリサイクルの社会実装に向けて更に歩を進めることといたしました。

　本コンソーシアムにおいてはTANIOBIS社の主要拠点であるゴスラーに、当社グループで培った技術をベースとした湿式プロセスの研究開発設備を新設し、フォルクスワーゲン社から提供される電池粉を用いて、プロジェクトパートナーとともに、高品質な電池原料を高収率で回収すべく、プロセスの最適化に取り組みます。

　

　

　本コンソーシアムと並行し、JXCSE社においては、当社グループのリソースを最大限活用し、欧州におけるリサイクルや次世代電池向け材料開発を始めとしたLiB関連の事業基盤を確立するための具体的な施策を計画・実行してまいります。当社グループは、かかる取り組みを通じて、世界規模での脱炭素社会の実現に不可欠なEVの早期普及および、資源循環型社会の実現に貢献してまいります。

　

以　上

　

（※1）TANIOBIS GmbH詳細（2022年6月8日現在）

会社名	TANIOBIS GmbH
所在地	Im Schleeke 78-91, 38642, Goslar, Germany
資本金	EUR 26,000
事業内容	タンタル・ニオブをはじめとするレアメタル製品の開発、製造および販売事業
取締役	飯田一彦、丸川和之、一柳貴之、和田裕典、小倉靖

　

（※2）JX Metals Circular Solutions Europe GmbH詳細（2022年6月8日現在）

会社名	JX Metals Circular Solutions Europe GmbH
所在地	Neue Mainzer Str. 20, 60311 Frankfurt am Main, Germany
資本金	EUR 25,000
事業内容	LiBリサイクル事業および電池材料事業についての一元的な推進
取締役	丸川和之、一柳貴之、 Thomas Zipfel、佐藤利秋

　

（※3）廃棄物から回収した物質を、同じ品質の材料として再生し、再び同製品の原料として使用するリサイクル手法。