ニュースリリース
2022年度
2022年7月 1日
JX金属株式会社
NanoWired GmbHへの出資について
JX金属株式会社(社長:村山 誠一、以下「当社」)は、ドイツのスタートアップ企業であるNanoWired GmbH(CEO: Olav Birlem, 以下「NanoWired社」)への出資を決定いたしました。
NanoWired社は、金属関連産業の世界的な集積地の一つでありIoT、AI等先端研究が盛んなドイツ国内において、様々な基板上に直径1um以下の微細な金属ワイヤー(以下「ナノワイヤー」)を成長させる技術およびこの製造装置の開発を手掛けています。基板上にナノワイヤーを成長させると、一般的なはんだ等を用いた接合技術と比べて低温・短時間かつ高密度での接合が可能となり、高い熱伝導性と接合強度を得ることができます。
近年のIoT社会の拡大に伴い、電子デバイスの小型化、高性能化要求が加速度的に高まっており、これに伴う電子デバイス高密度化による発熱対策や製品信頼性の向上が課題となっています。NanoWired社では、これら課題に応えるべく、ナノワイヤーの技術を活用したサーマルインターフェース材料(※)や半導体実装技術の開発を積極的に進め、革新的な電子デバイスの実現に貢献しています。
当社は「2040年JX金属グループ長期ビジョン」において、技術立脚型の新事業を不断に創出するために、「共創型」の開発をパートナーと進めていく方針を掲げており、その一環としてスタートアップ企業との協業を推進しています。本共創を通してNanoWired社との関係強化を進め、様々な形で協業を進めてまいります。一例として、ナノワイヤーの成長プロセスに必要となる銅箔やめっき原料など各種素材の提供や、今後ますます成長が加速することが見込まれる半導体実装分野など将来の社会トレンドを見据えた共同開発、当社製品へのナノワイヤーの技術の応用などを検討してまいります。
今後も当社は、パートナーとの共創による製品開発に積極的に取り組み、革新的な電子デバイスに不可欠な先端材料の提案・提供を通じて、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
以上
※:部材間の隙間を埋め接触熱抵抗を低減することで、効率的に放熱することができる材料
◆NanoWired社の概要(2022年6月現在)
名称 | NanoWired GmbH |
創立年 | 2017年 |
所在地 | ドイツ ゲルンスハイム |
代表者 | Olav Birlem(CEO) |
事業内容 | ナノワイヤー成長技術および製造装置の開発 |
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図1.金属表面に生成されたナノワイヤー |
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図2.ナノワイヤーを用いた基板間接合(例) |
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図3.ナノワイヤーの半導体実装分野への活用例(写真中央のオレンジ色の部分) |