ニュースリリース

2022年度

2022年12月23日

JX金属株式会社

ブラジルMibra鉱山におけるタンタル原料生産事業への参画について

 JX金属株式会社(社長:村山 誠一、以下「当社」)はレアメタル領域の資源事業へ進出し、上流から下流にかけての一貫した事業体制の構築・強化を進めます。その第一歩として、今般タンタル原料の生産事業への参画を決定しました。2023年1月より、当社とAMG Brasil SA(CEO:FABIANO JOSÉ DE OLIVEIRA COSTA , 以下「AMG社」)が出資するジョイントベンチャー(JV)の下で、AMG社が運営するMibra鉱山で産出される鉱石からタンタル精鉱を生産します。タンタル精鉱はJX金属グループのTANIOBIS GmbH(CEO:飯田一彦、以下「タニオビス社」)が優先的に買い受け、その規模は同社の総調達量の約2割に相当します。当施策を通し先端素材の原料の安定調達を図るとともに、持続可能な「責任ある調達」をより一層推進してまいります。

 

 当社は「2040年JX金属グループ長期ビジョン」において、先端素材の製造・開発に不可欠な素材であるレアメタルを、銅と並ぶ中心ドメインに位置づける方針を掲げています。当方針のもと、タニオビス社をはじめグループ全体で、機能性タンタル粉末などの先端素材事業の拡大を進めています。これら先端素材は先端半導体やコンデンサなどに用いられており、モバイル端末や通信インフラの需要増大により着実に需要が伸びており、この傾向は今後も継続すると予測しています。

 タンタルを始めとするレアメタルの多くは、先端素材の原料として今後ますますその重要性が高まることが見込まれます。これら原料については長期・安定的に確保することが重要となるとともに、安全や人権に配慮した、倫理的かつ持続可能な「責任ある調達」に向けた企業の積極的な対応が求められております。当社グループでは、先端素材の原料の長期・安定的な確保と、「責任ある調達」のさらなる推進を目指し、レアメタル領域の資源事業への参画に向けて、具体的な案件の検討を進めてきました。

 

 今般の決定は、サプライチェーンの透明性が裏付けられた先端素材の安定供給に資するものであるとともに、レアメタル領域における資源事業進出の第一歩として、信頼できるパートナーが保有する鉱山のタンタル原料生産事業へ参画することで、経営知見の取得を目指すものです。当事業への出資を通じ、レアメタル領域の上流事業のプレーヤーとしての認知の向上を図ることで、競争力のあるレアメタル鉱山権益の取得など、上流から下流にかけての一貫した事業体制の更なる強化に繋げてまいります。

 

 これからも当社グループは、「2040年JX金属グループ長期ビジョン」のもと、原料からのサプライチェーンの透明性が裏付けられた先端素材の安定供給を目指し、社会の発展と革新に貢献してまいります。

 

以上

 

(参考1)AMG Brasil S.A.の概要

企業名 AMG Brasil S.A.
所在地 ブラジル連邦共和国 ミナス・ジェライス州
設立 1992年
CEO FABIANO JOSÉ DE OLIVEIRA COSTA
事業内容
  • 鉱山事業(Mibra鉱山において採掘される鉱石からリチウム精鉱・タンタル精鉱などを生産)
  • 精錬事業(五酸化タンタル、五酸化ニオブなどを生産)

 

Mibra鉱山の所在地

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(参考2)タンタル関連の上流から下流にかけての一貫した事業体制について

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※同社の詳細は、2022年4月4日リリース「東京電解株式会社の全株式取得について」をご覧ください。