ニュースリリース

2025年度

2025年9月 3日

JX金属株式会社

次世代半導体パッケージのコンソーシアム「JOINT3」に参画
―先端パッケージング分野における新規事業創出を加速―

 JX金属株式会社(社長:林 陽一、以下「当社」)は、次世代半導体パッケージのコンソーシアム「JOINT3」に参画します。

 

 JOINT3は、材料・装置・設計企業が共創することで、パネルレベル有機インターポーザーに適した材料・装置・設計ツールの開発を加速することを目的に、株式会社レゾナック(代表取締役社長 CEO:髙橋秀仁、以下、レゾナック)により設立された共創型評価プラットフォームです。
JOINT3には、半導体材料・装置・設計の分野において世界トップクラスの企業が集結し、515 x 510mmサイズのパネルレベル有機インターポーザー試作ラインを用いて、パネルレベル有機インターポーザーに適した材料・装置・設計ツールの開発を推進します。
 当社は、先端半導体の製造に用いられる半導体用スパッタリングターゲットをはじめ、AIデータセンター向け材料として需要が急増しているインジウムリン化合物半導体基板、チタン銅合金箔、高純度タンタル粉等、グローバル市場で高いシェアを誇る先端材料を多数保有しています。中でも半導体用スパッタリングターゲットは、前工程だけでなく、パッケージング工程の一部であるチップ間配線形成などでも需要拡大が期待されています。また、表面処理剤など、同分野への適用が期待される製品群を揃えており、今後JOINT3において各参画企業と連携し新規事業創出を推進してまいります。

 

 昨今、市場が急拡大している生成AIや自動運転を実現する次世代半導体においては、後工程のパッケージング技術がキーテクノロジーのひとつとなっています。なかでも、複数の半導体チップを並列に配置し、インターポーザー(中間基板)を介して接続し実装した2.xDパッケージは、データ通信の容量増加、高速化に伴い、さらに需要が拡大する見込みです。インターポーザーは、半導体の性能向上に伴いそのサイズが大型化しており、シリコンインターポーザーから有機材料を用いた有機インターポーザーへの移行が進んでいます。製造方法に関しては、円形ウェハから四角片を切り出す手法が主流ですが、インターポーザーのサイズが大型化することで、ウェハあたりのインターポーザーの取り数が減少するという課題が生じています。この課題に対処するため、円形のウェハ形状から四角いパネル形状へ変更し、インターポーザーの取り数を増加させる製造プロセスが注目されています。

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 先端パッケージ分野は、デファクトスタンダードが確立されておらず、今後の技術方向性を見極めるうえでも、市場情報の収集と分析は極めて重要です。JOINT3では、製造装置メーカーや他分野の材料メーカーとの連携が可能であり、業界横断的な視点から有益な情報を得られる場として、また多様な製品開発が行われる共創の場として大いに期待しています。これにより、当社の技術開発や製品戦略に反映できる知見を深めることが可能となり、より市場ニーズに即した開発を推進できると考えています。また、当社は2024年11月に、グループ内の先端パッケージ材料関連のマーケティングおよび開発機能を一元化した新組織を立ち上げています※1。これにより、よりスピード感を持って市場の要求に対応できる体制を整えています。

 

 微細化・高密度化が進むパッケージ技術においては、材料の信頼性とともに、市場ニーズに即応した提案のスピードがますます重要な要素となっています。今回のJOINT3参画を機に、参画企業との連携を活用しながら、当社のコア技術と迅速な提案力を活かし、材料の新規開発や実用化に向けた取り組みをさらに加速してまいります。

 

 今後も当社は、半導体材料・情報通信材料のグローバルリーダーとして、高機能・高性能な先端素材の開発・供給を通して、持続可能な社会の発展と革新に貢献してまいります。

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JOINT3 ロゴ

 

以 上

 

Reference
※1; 2024年10月31日付プレスリリース「組織改正について」をご参照ください
 

【JOINT3概要】

名称 JOINT3 (JOINT:Jisso Open Innovation Network of Tops)
目的 参画企業との共創により、パネルレベル有機インターポーザーに適した材料・装置・設計ツールの開発を加速

参画企業

アルファベット順

27社(2025年9月3日時点)
株式会社レゾナック、AGC株式会社、Applied Materials, Inc.、 ASMPT Singapore Pte. Ltd.、
Brewer Science, Inc.、キヤノン株式会社、Comet Yxlon GmbH、株式会社荏原製作所、
古河電気工業株式会社、株式会社日立ハイテク、JX金属株式会社、花王株式会社、
Lam Research Salzburg GmbH、リンテック株式会社、メック株式会社、株式会社ミツトヨ、ナミックス株式会社、
ニッコー・マテリアルズ株式会社、奥野製薬工業株式会社、
Synopsys, Inc. (日本窓口:アンシス・ジャパン株式会社)、東京エレクトロン株式会社、
東京応化工業株式会社、TOWA株式会社、株式会社アルバック、ウシオ電機株式会社、株式会社図研、3M Company

拠点 ・先端パネルレベルインターポーザーセンター「APLIC(Advanced Panel Level Interposer Center)」
(茨城県結城市、レゾナック下館事業所(南結城)内)
・パッケージングソリューションセンター(神奈川県川崎市)
活動内容 ・パネルレベル(515 x 510mm)の試作ラインを用いて、有機インターポーザー向けの材料・装置・設計ツールを開発
・材料・装置メーカーが共通の試作品を作製し、共創により開発を進める
・技術・装置メーカーがJOINT3を「練習場」とし、パネルレベル有機インターポーザーに関する技術を磨く

 

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APLIC外観(イメージ)