ニュースリリース

2025年度

2025年11月 6日

JX金属株式会社

Alloyed社グループによる新型3Dプリント・マイクロタービンの開発・試験成功について

 JX金属株式会社(社長:林 陽一、以下「当社」)は、出資先である英国のスタートアップ企業 Alloyed Ltd.(CEO:Michael Holmes、以下「Alloyed社」)及びそのグループ会社であるArgiveが、金属3Dプリンティング技術を活用した防衛用の新型マイクロタービンの開発と試験に成功したことをお知らせいたします。

 

 Alloyedグループは独自のプラットフォーム「Alloys-by-Design®」を基盤に、合金設計や造形設計を組み合わせた金属3Dプリンティング技術を展開しています。この技術を活用して開発された新型マイクロタービンは、防衛用ドローンや迎撃システムに搭載され、それぞれ試験飛行と陸上試験に成功しました。金属3Dプリンティングの特長である一体化設計により、部品点数と重量を削減し、信頼性の向上とともに、従来に比べて開発サイクルの大幅な短縮を実現しています。こうした特長は防衛用途との親和性が高く、「短期間での開発・製造」と「極限環境下での安定稼働」という要求を両立できるものであり、次世代防衛装備の設計思想そのものを変える可能性を秘めています。今後は、当社およびTANIOBIS GmbHが有する合金粉末製造技術と、Alloyed社の合金設計・造形最適化技術を融合した共同プロジェクトにおいて、より高温適性のある当社グループのNb(ニオブ)系超合金への適用の検討を進め、高温環境下での性能向上や、複雑形状部品の高精度造形に取り組みます。

 

 当社グループは、長年にわたって培ってきた技術力に基づき、高い信頼性と機能性を兼ね備えた先端材料を提供してきました。これらの中には、たとえば3Dプリンター用金属粉、結晶材料、電磁波シールド材など、民生用途にとどまらず防衛分野にも応用が可能な製品、いわゆるデュアルユースが可能な製品も多くあります。今後、安全保障の重要性がますます高まっていくことが予測される中、当社グループとしては、防衛分野を今後注力すべき領域のひとつとして位置づけ、積極的に取り組んでまいります。
 

 当社グループは、新しい製造技術と先端材料の開発を一層推進し、国益に資する持続的な成長と社会価値の創出を実現してまいります。