DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

中長期的な事業目標の達成に向け、確実な収益基盤の構築と新たな付加価値の創出を目指し、全社一丸となって変革に取り組んでまいります。AIやデジタルツインなどの先端技術が急速に進化し、当社を取り巻く環境もIPOをはじめ大きく変化する中、企業価値の更なる向上に向けて、デジタル技術を活用した全社的な変革(=デジタルトランスフォーメーション)を強力に推進してまいります。具体的には、バリューチェーン全体における改善余地の可視化と打ち手の導出、売上・コスト構造の最適化による事業の強靭化、生産性向上や働き方改革、業務の標準化・集約による人的リソースの最適活用などを、デジタルツールを効果的に活用しながら実現していきます。

DX推進体制の強化

企業価値の更なる向上に向けた真の変革を実現するためには、全社経営の視点から業務の見直しと部門間の連携強化を図り、事業全体の強靭化と業務プロセスの標準化・効率化を推進する事が不可欠です。この認識のもと、2025年度よりDX推進の主体を経営企画部へ移管し、同部が全社的な戦略立案・実行促進・人材育成を担う体制へと刷新致しました。従来の推進主体であった技術本部はその専門性を最大限に活かし、技術・実装面に特化した支援を通して、各事業部の変革と強靭化を支える役割を担います。これにより、DXの推進は戦略と実行が連動する体制へと進化し、全社横断での変革をより強力に推進してまいります。

DXを支える基盤

シミュレーション技術、AI、超音波センシング技術などを用い、最新技術の検証・運用への適用可否検討を継続して取り組んでいます。

事例1

 材料シミュレーションを用いたマテリアルズ・インフォマティクス

実験データやAI、材料シミュレーションを連携させることで、従来のように実験を繰り返すことなく所望の特性を有する材料を効率的に探索します。

材料シミュレーションとAI、実験を連携した候補材料探索のイメージ

事例2

 超音波センシング技術を用いた設備の異常予知検知の実証試験

超音波マイクとエッジ端末を用いて、可聴域外の音を、AI技術を用いて処理することにより、設備の異常を早期検出して、設備や品質への影響を低減して生産性の向上を図ります。

超音波音による回転体予知保全のイメージ

DX基盤の強化(ゼロトラストネットワーク)

年々巧妙化・高度化するサイバー被害から重要な情報資産を守るため、当社グループではゼロトラストの概念に基づいたグループネットワークの刷新を進めています。最先端のクラウド型セキュリティサービスを活用し、また二要素認証やデバイス認証を実装することで、グループ全体のセキュリティレベルを均質的に底上げし、サプライチェーンの一部として取引先からのセキュリティ対策要請にも対応しています。

ゼロトラストモデルを活用した次期ITインフラ

DX人材育成

DX推進体制の刷新に伴い、DX人材育成に向けた教育体系の再構築を進めています。全社的なDXリテラシーの底上げを目的とした全社員向けのe-learningに加え、より実践的な教育体系への移行を図っています。具体的にはローコード・ノーコードなどのデジタルツールを活用し、業務改善を自律的に推進する力を養う「オフィスDXプログラム」を2024年度より開始。2025年度は新入社員全員が受講し、配属先でDX推進の担い手となる事を目指します。また、事業強靭化に向けたDXを担う人材には、課題の特定から施策立案、アジャイルによる実行までを体系的に学ぶ実践型プログラムを準備中であり、順次展開予定です。これらの取り組みを通じて、全社的なデジタル活用文化の醸成と、企業価値向上に資する人材の育成を加速してまいります。