

サプライチェーンにおける
人権尊重
当社グループは、事業活動全体を通じて自社とサプライチェーンに関わるすべての人の基本的人権を尊重するとともに、潜在的な人権リスクの低減に努めます。
JX金属グループ 調達基本方針(抜粋)
- 5.紛争鉱物への対応
- ●紛争地域における違法な活動やそれによる人権侵害に加担するような原料の調達は行いません。
- ●経済協力開発機構(OECD)が紛争地域からの原料調達に関して定めるガイダンスを尊重し、サプライチェーンを適切に管理します。
調達取引先の選定方針
当社グループが事業展開をする上において、当社グループのみならずお取引先様のサプライチェーンも含めて、社会的責任を果たすことが必要であり、お取引先様においても、以下の項目を遵守していただくことをお願いします。今後、以下の項目に違反し行政から不利益処分を受けたお取引先様や以下の項目を遵守していないことが明らかになったお取引先様に対しては、改善過程を確認します。また、以下の項目を遵守いただけない場合には、お取引先様との契約の見直し(解除含む)の要否を検討します。
- 1.以下に例示するものを含め、法令・社会規範等を遵守し、人権、環境への配慮を重視していること。なお、国際的に認められた人権原則と法令・社会規範等との間に矛盾がある場合は、国際的な人権原則を尊重すること。
- ●製造・販売等に関する法令の遵守
- ●労働関連法令の遵守
- ●安全衛生に関する法令遵守と適切な労働環境の整備
- ●児童労働、強制労働の禁止
- ●人種、性別などによる差別の禁止及び従業員の人権、人格、個性の尊重
- ●環境法令の遵守
- ●贈収賄、不公正な行為の禁止
- ●非人道的行為に加担する紛争鉱物の不調達、不使用
- ●反社会的勢力との関係遮断
- ●個人情報及び取引先の情報の適正な管理
- 2.健全かつ公正な事業経営を行っていること。
- 3.気候変動問題へ対応するため、カーボンニュートラルの実現に向けた目標設定を行い、その達成に向けて積極的に取り組んでいること。
- 4.当社グループのグリーン調達ガイドラインに基づき、環境管理システムを構築し、指定する化学物質の適正な管理を行っていること。
- 5.安定的な供給能力があり、当社グループが求める品質、価格、納期、サービスを満足すること。
- 6. 当社グループが求める十分な技術力を有していること。
サプライチェーンにおける人権への取り組み
当社グループでは、取引先に対して「調達基本方針」に基づき、労働者の権利確保、雇用・職業における差別の有無、強制労働や児童労働の有無、紛争鉱物への対応等について確認を行っています。また、サプライチェーン全体でのCSR調達を推進するため、「CSR調達アンケート」を実施しています。今後もアンケートの実施を継続し、取引先へのフィードバック等を行いながら、サプライチェーンにおいて人権侵害が起きないよう注意していきます。
強制労働・児童労働・差別の禁止等
当社グループでは、「調達取引先の選定方針」において、サプライチェーンも含めて、強制労働・児童労働や人種、性別による差別等の禁止、各種労働法令の遵守を定めています。当社グループまたはサプライヤーにおいて、強制労働や児童労働の事例、結社の自由を侵害するような事実、ストライキなどによる工場閉鎖や、雇用に関する差別に該当する事例は報告されていません。今後も強制労働、児童労働、差別の禁止等への取り組みを進めていきます。
タニオビス・ジャパン水戸工場がRBA監査でプラチナ・ステータスを取得
RBAの証書

当社グループのタニオビス・ジャパン水戸工場は、RBA ※1行動規範の遵守状況を評価するVAP(Validated Assessment Program)監査において200点満点を獲得し、RBA認証プログラムにおける最上位のステータスであるプラチナを取得しました。
同監査でのプラチナ・ステータスの取得は、磯原工場(2022年4月)、東邦チタニウム(株)茅ヶ崎工場(2021年6月)に次ぐ3拠点目です。これは、当社グループをあげてのESG推進の取り組みが着実に進展していることの表れであるとともに、半導体材料分野におけるサプライチェーンの透明性を証明するものであると考えています。
- ※1RBA(Responsible Business Alliance):電子業界のサプライチェーンにおいて責任ある行動を目指して組織される企業同盟。
紛争鉱物への対応
紛争鉱物とは紛争地域において(多くの場合は違法に)産出され現地の武装勢力の資金源となり、人権侵害や非人道的行為の拡大につながる恐れのある鉱物の総称です。紛争鉱物の排除のため、情報開示とステークホルダーからの監視を強化する国際的な流れを受け、当社グループが関連する事業者団体(LME※1、LBMA※2、LPPM※3、RBAなど)においても調査プログラムが制定され、各事業者に対して調査や外部監査の受審を求めています。
- ※1LME (London Metal Exchange:ロンドン金属取引所):銅をはじめとする非鉄金属先物取引の大部分が行われている工業用金属の世界的な取引所。
- ※2LBMA(London Bullion Market Association:ロンドン貴金属市場協会):金・銀地金の取引を行う金融機関などで構成される業界団体。同団体のGood Deliveryリストに登録されることにより、高い品質と信用が担保される。
- ※3LPPM(London Platinum and Palladium Market:ロンドンプラチナ・パラジウム市場):プラチナ・パラジウム地金の取引を行う金融機関などで構成される業界団体。同団体のGood Delivery リストに登録されることにより、高い品質と信用が担保される。
銅、金、銀、プラチナおよびパラジウムのサプライチェーンに関する取り組み
JX金属製錬株式会社では、以下の内容を含むサプライチェーン・デュー・ディリジェンス(DD)のマネジメントシステムを構築し、運用しています。
1. 原料鉱物の購入取引に先立ったサプライチェーンDDの実施
2. サプライヤーに対する紛争鉱物排除の方針の周知
3. サプライチェーンDDとその背景に関する社内教育実施
4. 内部監査の実施と外部監査の受審
サプライチェーンDDの運用状況は、LBMAおよびLPPMが指定する第三者機関による外部監査を受けた後、同団体に報告されます。本手続きを通じてJX金属製錬で生産される金地金、銀地金、並びにプラチナおよびパラジウムスポンジは、同団体のGood
Deliveryリストに登録されています。これと同時に、佐賀関製錬所および日立工場は、RBAとGeSI※が定めるRMAP Conformant
Smelters(紛争鉱物を使用していない製錬所)リストにも掲載されています。
また、銅地金についてもサプライチェーンDDのマネジメントシステムを構築しており、The Copper
Mark認証取得手続きを通じて、第三者機関による外部監査を受けています。
- ※GeSI:Global e-Sustainability Initiative(欧州の情報通信事業者団体)紛争鉱物が電子機器や通信機器に使用されるリスクが高いことを背景として、本業界に関連するRBAとGeSIが協力してRMAP(Responsible Minerals Assurance Process)の認定プログラムを構築。
LBMAおよびLPPMによる外部監査証明書

タンタルのサプライチェーンに関する取り組み
当社グループでタンタル粉を生産するTANIOBIS GmbHは、紛争鉱物として指定されるタンタルの精錬会社として、国際基準に沿ってサプライチェーン・デュー・ディリジェンスを実施し、紛争地域および高リスク地域における人権侵害等への加担の防止に努めています。
同社におけるサプライチェーン・マネジメントは、責任ある鉱物調達を目的とした国際的な枠組みであるRMI※1の認証を受け、RMAP※2 Conformant Smelterとしての評価を受けています。
- ※1RMI(Responsible Minerals Initiative:責任ある鉱物調達イニシアティブ):RBA(Responsible Business Alliance:責任ある企業同盟)傘下の団体で、紛争鉱物のサプライチェーンにおけるデューディリジェンスを促進するとともに、その適正性に係る認証プログラムを提供している。
- ※2RMAP (Responsible Minerals Assurance Process):RMIが構築した責任ある鉱物調達の認証プログラム。
物流の2024年問題への対応
社会全体の輸送能力が不足しモノが運べなくなると言われている「物流の2024年問題」への対応として、物流効率化法の改正が行われたことなどを踏まえ、当社では荷待ち時間・荷役等時間の実態把握と短縮に向けて取り組んでいます。
また、輸送依頼の前倒しによる充分なリードタイムの確保や、トラック輸送から鉄道輸送への切り替えの推進など、持続可能な物流の実現に向けて取り組みを進めています。