
当社のサステナビリティ経営
事業活動を通じて経済・社会の持続可能な発展に貢献することを目指すJX金属グループのESG活動についてご紹介します。
価値創造モデル
当社グループは、自社が解決すべき社会課題を認識し、価値創造モデルを継続的に推進することで持続的な成長と社会課題の解決を目指しています。
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マテリアリティとKPI
当社グループでは、2040年長期ビジョンの実現に向け、優先的に取り組むべき6つのマテリアリティを特定しています。各マテリアリティはKPIを設定した上で、社長を議長とするESG推進会議にて達成度合いを測定・評価しながら運用しています。
マテリアリティ | 取り組み内容 | 2023年度KPI | 関連するSDGs | |
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環境 Environment |
地球環境保全への貢献 | 脱炭素社会の実現や循環型社会の形成を通じ、地球環境保全へ貢献する。 | リサイクル原料比率・リサイクル原料品目の拡大 |
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CO2自社総排出量:2050年度CO2ネットゼロ、 2030年度50%削減(2018年度比)に向けた取り組みの推進 |
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埋立処分比率:2023年度1%未満 | ||||
社会 Social |
くらしを支える先端素材の提供 | 新規の技術開発を推進し、IoT・AI社会の実現に貢献する。 | IoT・AI社会に必要とされる先端素材の開発 |
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技術立脚型経営を支える体制の構築 | ||||
魅力ある職場の実現 |
すべての従業員が安心・安全かつ健康的に働ける環境を実現する。 多様な人材が働きがいを感じながら個々の能力を最大限発揮できる環境を実現する。 |
人と組織の活性化に向けた取り組みの実施 |
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年休取得率の向上:2023年度80%以上 | ||||
障がい者雇用率の維持・向上:2023年度2.3%以上 | ||||
重大な労働災害発生の低減:2023年度年千人率(休業4日以上)0.70以下 | ||||
健康増進に向けた取り組み:2023年度がん検診受診率70%以上 | ||||
人権の尊重 |
地域住民、顧客、従業員、取引先を含むすべての サプライチェーンに関わる人々の人権を尊重した事業活動を行う。 |
サプライチェーンにおける人権調査の実施 |
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人権研修の受講率:2023年度100% | ||||
地域コミュニティとの共存共栄 |
国内外の各事業拠点において地域に根差した社会貢献活動や コミュニケーションを行うことにより、地域社会との信頼関係を醸成する。 |
地域コミュニティとの対話の継続 |
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ガバナンス Governance |
ガバナンスの強化 |
コンプライアンスの徹底やリスクマネジメント活動の推進により、 事業経営の健全性・透明性を確保する。 |
事業特性・社会動向等を踏まえたコンプライアンス研修の実施 | ー |
全社的リスクマネジメント体制の着実な運用 |
マテリアリティの特定プロセス
当社グループのマテリアリティは、世界的な社会課題とSDGsが掲げるゴール、国際ガイドライン(GRI、ISO26000等)、国内外イニシアティブ、同業他社の動向などを踏まえて、以下のステップにより特定しました。なお、特定したマテリアリティは、今後の社会情勢やニーズの変化、経営戦略等に応じて内容の見直しを定期的に実施していく予定です。

ESG推進体制
ESG推進体制

当社グループはこれまでもさまざまな社会貢献活動や環境保全活動を実施してきましたが、ESGに対する世界的な潮流を受けて、組織的対応を強化し、全社的視点からESG経営に取り組む必要があることから、2020年10月、ESGへの取り組みを統括する「ESG推進部」を発足し、関連会議体を整備しました。
社長の諮問機関である「ESG推進会議」では、ESGへの対応に関する基本方針や活動計画、およびそれらのモニタリングを行っています。ESG推進会議は社長を議長、当社の経営会議のメンバーを構成員(社外取締役もオブザーバーとして参加)とし、原則として年2回開催されます。また、ESG活動のグループ全体における推進・浸透を図るため、下部機関として、各部門、グループ会社等のESG推進責任者により構成される「ESG推進責任者会議」を設置しています。ESGに関わる重要事項については、取締役会・経営会議に適宜、付議・報告しています。
2023年度は、ESG推進会議を6月と11月に開催し、各重点項目の活動方針および活動状況の報告などを議論しました。
ESG経営の浸透
アンケート回答の一例
Q:当社のESG経営の取り組みについて理解できましたか?
はい 81.1%
どちらとも言えない 16.2%
いいえ 2.6%
無回答 0.1%
Q:「JX金属グループ企業行動規範」を理解し、
これに共感できますか?
はい 92.6%
いいえ 6.6%
無回答 0.8%
Q:組織や職場で「マテリアリティ」が浸透していると思いますか?
はい 73.5%
いいえ 25.4%
無回答 1.1%
- ※設問に対しては複数の選択肢があり、肯定的な回答は「はい」に、否定的な回答は「いいえ」に分類しています。
当社グループでは、ESGの重要性や活動への理解を深めるため、イントラネットや社内報での情報発信のほか、社内研修、eラーニング等を実施しています。2023年5月~8月には、各主要拠点の従業員を対象に、ESG活動のさらなる浸透に向けた研修を実施しました。初のAI音声を用いたナレーションを使用し、受講者のうち84%から好評の声をいただきました。
また、従業員へのESGやCSR意識の浸透、実践への関与状況などを調査するため、毎年「サステナビリティリポート」の配付とともに、紙およびWEB
にてアンケートを実施しています。2023年度は、4,443名(対象者数5,626名、回答率79%)が回答しました。

未来を支える製品群
当社グループは非鉄金属業界のリーディングカンパニーとして、銅・レアメタル・貴金属などの非鉄金属資源と先端素材を供給しています。インフラから電子機器に至るまで、さまざまな分野で社会の豊かさを根底から支え、発展を牽引していきます。
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国際規範・イニシアティブへの対応
当社グループでは、国際規範や国際イニシアティブなどの社会的要請に準拠し、持続可能な社会の実現に貢献するため、イニシアティブへの積極的な参画を進めています。また、非鉄金属業界をはじめ各種業界団体へ積極的に参画し、意見交換や情報共有を通じて得られた知見を、事業活動に反映させています。
業界団体とのコミュニケーション
団体名 | 2023年度の当社役割 | 取り組み内容 |
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一般社団法人日本伸銅協会 | 理事 | 会員相互の連携と協調のもと、伸銅業全般の進歩発展を図ることを目的としています。当社グループは企画運営委員会に参加し協会の運営に貢献するとともに、調査統計委員会では市場規模の調査・報告に携わっています。 |
一般社団法人新金属協会 | 代表理事・ 会長 | ハイテク産業の発展を支える「新金属」に関する調査研究、情報の収集および提供などを行うことにより、業界や関連産業の健全な発展を目的としています。当社は、化合物半導体部会およびターゲット部会に参加し、市場規模の調査・報告や関係省庁への意見提言などに携わっているほか、安全委員会に参加して安全衛生の向上に携わっています。 |
日本鉱業協会 | 理事 | 非鉄金属の資源開発や製錬事業を行う各社で構成され、技術向上のための調査研究や知識の普及、関係省庁への政策提言などを行うことにより、業界の健全な発展を目指しています。当社グループは2023年度は理事として協会の運営に携わりました。 |
触媒資源化協会 | 会長 | 触媒の再利用に携わる会社で構成され、使用済み触媒等の適正処理による、貴金属・レアメタル等の再資源化促進を目的としています。再資源化の実績を調査して統計化するほか、定期的に研修会を実施し、会員の技術向上や相互の親睦を図っています。当社は会長に就任しているほか、広報委員会に参加し調査報告書の発行や総会の運営にも携わっています。 |
硫酸協会 | 副会長 | わが国硫酸業界の健全な発展を図ることを目的としています。当社は業務委員会と総務委員会に参加し、硫酸の需給状況の調査・報告と協会運営に携わっています。 |
関連するイニシアティブ
国連グローバル・コンパクト

国連グローバル・コンパクトは、企業・団体が社会の良き一員として行動し、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組みです。当社は2008年8月より参加し、4分野からなる「10原則」を支持するとともに、その実現に努めています。
- 参照
- 国連公式ウェブサイト
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)

TCFDは、金融安定理事会(FSB)により設立された組織で、企業に対し気候変動関連リスクおよび機会に関する開示を推奨しています。2019年5月にENEOSホールディングスがTCFD提言に賛同・署名したことを受け、当社グループもTCFD提言の趣旨に沿った情報開示を進めています。
- 参照
- 「TCFD」ウェブサイト
CDP

CDPは、ロンドンに本拠を置く国際NGOで、世界主要企業の環境活動に関する情報を収集・分析・評価し、これらの結果を機関投資家向けに開示している組織です。当社では、CDPが重点項目としている「気候変動」「水の安全」に関する情報開示を進めているほか、取引先のアンケートを通じて情報開示をしています。
チャレンジ・ゼロ

チャレンジ・ゼロは、経団連が日本政府と連携し、脱炭素社会の実現に向けた企業・団体のイノベーションのアクションを、後押ししていく目的で設立されたイニシアティブです。当社グループは、2020年6月に参加を表明しました。
GXリーグ

経済産業省が主導するGXリーグは、2050年カーボンニュートラル実現を見据えてGX(グリーントランスフォーメーション)ヘの挑戦を行い、経済社会システム全体の変革を目指して産・官・学が協働する枠組みです。当社は「GXリーグ基本構想」への賛同を表明するとともに、2023年度から2025年度の「第1フェーズ」にも参画を表明しています。
The Copper Mark

2019年に設立された、銅産業の「責任ある生産」並びに持続可能な開発への積極的な貢献を示す枠組みです。当社グループは、JX金属製錬(株)佐賀関製錬所および日立工場を対象に、2022年12月、日本国内で初めてThe Copper Markの認証取得に至りました。また、当社が一部権益を保有するカセロネス銅鉱山(チリ)においても、2023年10月に認証を取得しています。
サーキュラーパートナーズ

サーキュラーパートナーズは、サーキュラーエコノミーの実現に向けて産官学の連携を促進するため、経済産業省によって2023年に設立されたパートナーシップです。当社は、非鉄金属の製造を担う企業として、本パートナーシップの設立当初から参画しています。
WIPO GREEN

WIPO GREENは、環境技術の普及とイノベーション促進を目的として国連の専門機関が立ち上げた技術交流の枠組みです。データベースに環境技術を登録することで、それを必要とする個人や組織とのマッチングが可能になります。当社は現在、独自の銅回収技術である「JXヨウ素法」に関する知的財産を登録しています。
パートナーシップ構築宣言

パートナーシップ構築宣言は、サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を超えた新たな連携や下請事業者との望ましい取引慣行の遵守を、企業の代表者が宣言することで、サプライチェーン全体での付加価値向上を目指す取り組みです。当社は2022年4月に宣言を公表しました。
「ホワイト物流」推進運動

「ホワイト物流」推進運動は、国土交通省が推進する持続可能な物流の実現に向けて、企業や国民の理解を促進するための運動です。当社は2020年4月に参加を表明し、物流部門主導のもと全社をあげて取り組みを進めています。
RBA (Responsible Business Alliance)
RBAは、主に電子メーカーやそのサプライヤーである電子部品メーカーなどにより構成される業界団体で、当社の顧客の多くが加盟しています。当社グループは、RBAで示されている行動規範に則した活動を行うことで、ESGへの取り組みを強化しています。
- 参照
- 「RBA」ウェブサイト
経団連生物多様性宣言イニシアチブ
経団連生物多様性宣言イニシアチブは、「経団連生物多様性宣言・行動指針」に賛同し、将来に向けた生物多様性への取り組みを宣言した企業・団体が参画しています。当社は2024年7月に参画を表明しました。
ステークホルダーエンゲージメント
当社グループでは、さまざまなステークホルダーからの要請を的確に把握し、誠実に応え、信頼関係を構築することが企業価値の向上につながると考えています。そのために、各ステークホルダーとの対話の機会を確実に捉え、双方向で活発なコミュニケーションを行うことに努めています。
主なステークホルダーと果たすべき責任 | 主なコミュニケーション手段 | 提起された主なテーマ |
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顧客 高品質製品の安定的かつ効率的な供給を通じて、満足度の向上と社会的責任を果たし、より豊かな社会の実現に貢献します。 |
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株主・投資家 現在はENEOSホールディングスを通じて適時適切な情報開示に努めていますが、上場を見据えて当社主体の適時開示体制の構築を進めます。 |
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従業員 職場環境の整備と育成制度の充実を中心とした働きがいのある職場づくりを進め、一人ひとりのモチベーション向上に努めます。 |
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取引先 事業遂行のパートナーとして信頼関係を構築し、サプライチェーン全体を通じた公平公正な取引の実現を追求します。 |
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地域社会 さまざまな交流の機会を通じた事業への理解や協力関係の構築により、各拠点における共存共栄を追求します。 |
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国際社会 地球温暖化をはじめとする国際的な課題の動向を注視し、法規制の遵守にとどまらない積極的な対応を講じます。 |
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