ニュースリリース

2020年度

2020年12月22日

JX金属株式会社

半導体用スパッタリングターゲットの生産能力の増強について ―需要拡大に対応し、生産能力を約30%増強―

 JX金属株式会社(社長:村山誠一、以下「当社」)は、半導体の微細な配線の形成に用いる銅・銅合金、チタン、タンタルなどのスパッタリングターゲット(※1)の製造設備について総額120億円規模の増強を行い、生産能力を現行から約30%引き上げることといたしました。今後、設計・建設・立上げを行い、2022年春以降に順次稼働を開始する予定です。

 

 当社の半導体用スパッタリングターゲット(以下「当製品」)は、業界トップのシェアを有し、主に最先端のロジックやメモリーの微細配線材料に用いられており、データ社会の進展により着実に需要が伸び続けています。当製品は「2040年JX金属グループ長期ビジョン」において「フォーカス事業」(※2)として位置付けている先端素材分野の中核を成す製品であり、当社ではこれまでも生産能力増強を進めてまいりました(※3)

 現在、テレワークなどを背景とした通信インフラやモバイル端末の需要増大により、半導体市場の成長は加速しています。この基調は5Gやデジタルトランスフォーメーションの進展により今後も継続するものと予測しています。当社では2020-2022年度中計で当製品の設備増強を計画していましたが、増大する需要に対応できる供給体制を構築し、顧客の信頼に応えるため、このたび計画を前倒し、当製品に関するプロセス全般の設備増強を実施することといたしました。

 

 IoT/AIを活用した気候変動への対応やより良い暮らしの実現には高性能な半導体が必要不可欠です。今後も当社は、最先端の半導体に用いられる素材の安定的な供給を通してSDGsの実現に貢献してまいります。

 

以 上

 

※1 スパッタリング法とよばれる薄膜形成技術で用いる材料です。装置内でスパッタリングターゲットにアルゴンイオンを衝突させることで放出された原子/分子が、シリコンウエハーなど基板上に付着し薄膜が形成されます。詳細は以下URLをご覧ください。 

https://www.jx-nmm.com/products/sputtering/about_sputtering.html

※2「2040年JX金属グループ長期ビジョン」「フォーカス事業」につきましては以下URLをご覧ください。

  https://www.jx-nmm.com/company/vision/

※3 2020年6月3日プレスリリース「圧延銅箔・高機能銅合金条および半導体用スパッタリングターゲットの増産に向けた設備導入完了」をご覧ください。