ニュースリリース

2025年度

2025年9月 5日

JX金属株式会社

JX金属グループにおける資源循環の実績(2024年度)について

 当社グループでの、2024年度における電気銅のリサイクル比率は24.6 %でした(※1)。これは、約10万トンの銅をリサイクルしたことに相当します。

 

 銅は、硬貨や生活家電、スマートフォン、電車、EVなどの身近なものに加えて、発電所やデータセンターなどの、現代社会を支える最先端の大規模インフラにおいても必要不可欠な素材です。しかし、日本は銅資源の多くを海外に依存しており、またグローバルでも銅資源の将来的な不足が指摘されています。従来、当社グループは、日本を代表する銅の製錬事業者として高品質な銅地金を生産し、情報化社会・AI時代を縁の下から支えてきました。引き続きこの役割を果たし、社会の発展に持続的に貢献していくためには、従来と同様にリサイクル処理を進めるだけではなく、質的・量的に、より優れた資源の再生・循環の仕組みを構築することが必要です。

 そこで当社は、銅の製錬業界において例のない新しい試みとして、2023年に銅の資源循環について、取引の有無にかかわらず、需要家と直接対話する枠組みを設け(※2)、2024年には、需要家と共創する資源循環スキームを提案(※3)しています。また、過去1年間(2024年度)の実績で、約10万トンの銅を再生(リサイクル)し、既にリサイクル比率は24.6 %に達していますが、さらなるリサイクル比率の向上(2040年までに50 %)を目指しています(※4)

 情報化社会・AI時代には、銅の他にも様々な金属が必要です。例えば、PC、スマートフォン等の電子デバイスには、僅かな量であるものの、金や銀などの貴金属が利用されています。当社は、廃棄された電子デバイスを構成する部品のうち、貴重な金属資源を多く含む電子基板をグローバルなネットワークを構築して回収し、高度なリサイクル技術により資源を抽出・再生しています。

 さらに、銅・金・銀だけでなく、白金、パラジウムやタンタル、アンチモン、ビスマス、テルル、セレンといった多様なレアメタルを回収することにも注力しています。当社グループ(※5)が回収しているレアメタル(※6)は下図の通りで、20種以上に上ります。これらの金属は、金や銀と比較しても、原料に含まれる量が僅かなので、その出所を正確に特定することは困難ですが、銅、金、銀を抽出した残渣から、上記の金属資源を国内のプラントで回収し、資源の有効利用を実現しています。その一翼を担う、当社グループの日立地区の回収プラントは、既に17年の稼働実績があります。

 当社は、上記のような資源素材のリサイクラー・サプライヤーとしてだけでなく、半導体製造に必要不可欠な高度な技術と製品群を有するメーカーとしても情報化社会・AI時代を支え続け、持続可能な発展に貢献して参ります。

 

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元素周期表における、当社が回収している元素の一覧表

 

※1 当社調べ(銅量ベース)
※2 2022年8月 3日付 ニュースリリースサステナブルカッパー・ビジョン"の策定について ―JX金属が目指すサステナブルな銅の供給とは―

https://www.jx-nmm.com/newsrelease/2022/20220803_01.html
※3 2024年1月31日付 ニュースリリース100%リサイクル電気銅供給モデルの新提案  ~お客様と紡ぐ資源循環~
https://www.jx-nmm.com/newsrelease/2023/20240131_01.html
※4 当社 事業案内 金属・リサイクル事業

https://www.jx-nmm.com/company/industry/metal-recycling/
※5 東邦チタニウム、タニオビスなどを含む
※6 日本の鉱山審議会の定義に基づく