サプライチェーンでの品質管理

当社グループは、社会の持続可能な発展に貢献するため、非鉄資源と素材を安定的に供給することが社会的使命であると認識しています。この考えのもと、サプライチェーン全体を通じて品質管理レベルの向上を目指しています。

JX金属グループ 品質基本方針

私たちJX金属グループは、社会の持続可能な発展に貢献するため、非鉄資源と素材を安定的に供給することが社会的使命であると認識し、本品質基本方針を定めて行動します。

  1. 1.社会とお客様のニーズを正しく捉え、お客様に信頼され、満足して頂ける製品・サービスを提供する。
  2. 2.安全性・環境保全性に配慮し、開発・設計から納入に至る全てのプロセスにおいて、品質を向上し維持する。
  3. 3.品質マネジメントシステムを構築し、継続的改善と人材育成を行う。
  4. 4.国内外の関連法令や規制を順守し、社会とお客様に品質に関する正確な情報を提供する。

品質マネジメントシステムの構築・運用

当社グループでは、品質基本方針の実現に向けて、品質マネジメントシステム(QMS:Quality Management System)を構築・運用しています。QMS の運用においては、より良い品質の実現を目指して、PDCAサイクルを着実に回し、継続的な品質改善活動に取り組んでいます。その一環として、QMS第三者認証(ISO9001等)を国内・海外を問わず取得しています。
また、当社グループでは、経営層が出席する「品質マネジメント会議」を設置しており、品質改善活動の状況をレビューし、活動計画を策定しています。さらに、品質マネジメントに関する情報を各拠点の担当者へ共有する場として、「品質担当者会議」を毎年2回開催しています。ここでは、品質マネジメント会議で決定された活動計画を伝達するとともに、各拠点で抱える課題や優れた実践事例の共有や、担当者同士の交流を行っています。さらに、内部品質監査の有効性向上、検査の自動化、品質管理人材の育成強化などにも取り組んでいます。

品質担当者会議
QMS第三者認証取得の主要製造拠点

【国内】

  • 磯原工場、倉見工場、日立事業所(銅箔製造部)
  • 一関製箔(株)
  • 北茨城精密加工(株)
  • JX金属コイルセンター(株)(倉見事業所、館林事業所)
  • JX金属商事(株)(高槻工場)
  • JX金属製錬(株)(佐賀関製錬所、日立工場)
  • JX金属探開(株)
  • タニオビス・ジャパン(株)(本社、水戸工場)
  • 東京電解(株)
  • 東邦チタニウム(株)(本社・茅ヶ崎工場、日立工場、八幡工場、若松工場、黒部工場)
  • 日本鋳銅(株)(佐賀関工場)
  • フルウチ化学(株)

【海外】

  • 日鉱金属(蘇州)有限公司
  • JX金属製品(東莞)有限公司
  • 台湾日鉱金属股份有限公司(龍潭工場、観音工場)
  • JX Metals Philippines, Inc.
  • JX Metals USA, Inc.
  • JX Metals Korea Co., Ltd.
  • TANIOBIS GmbH (Goslar)
  • TANIOBIS Smelting GmbH & Co. KG (Laufenburg)
  • TANIOBIS Co. Ltd. (Map Ta Phut)
  • Materials Service Complex Malaysia Sdn. Bhd.
  • Materials Service Complex Coil Center (Thailand) Co., Ltd.

品質管理部の取り組み

当社品質管理部は、グループ全体の品質管理の強化に係る企画・立案・推進およびその総括に関する業務を担っており、全社QMS要求事項の明確化、内部品質監査の有効性向上、製造拠点における品質改善活動の支援、品質管理業務のDX推進や品質管理教育の開講といった取り組みを実施しています。
2023年度では、国内外24拠点に対し、品質管理部が内部品質監査を実施しました。また、品質管理部員の監査技術向上のため、2023年度には新規4名がJRCA※1・IRCA※2認定のISO 9000審査員研修コースを受講の上、資格試験に合格し、現在、品質管理部にはISO9001認証機関公認審査員研修コース合格者が11名おり、品質監査に携わっています

  1. ※1JRCA:「日本規格協会マネジメントシステム審査員評価登録センター」の略
  2. ※2IRCA:「International Register of Certificated Auditors」の略
現場確認の様子
現場確認の様子
VOICE
品質管理部の声
JX金属(株)
品質管理部
細 万梨英

品質管理部が担う重要な業務の一つに内部品質監査があります。私にとっては学生時代の専攻とは全く異なる、未経験の分野でした。しかし、バックグラウンドの異なる視点でのチェックが当社の品質改善活動につながると、内部品質監査員に挑戦する機会とともに、社内勉強会や外部セミナー受講といった支援もいただいて、JRCA・IRCA認定のISO9000審査員資格試験に合格することができました。資格取得に導いてくださった部署の皆さんに感謝すると同時に、今後はこれを一つの自信に、お客様に満足していただける品質に維持・向上できるよう、貢献していきたいと思います。

賠償責任問題の発生状況

2023年度は、当社グループ製品の欠陥が原因で生じた人的・物的損害に対して、製造物責任法に基づく賠償責任問題の発生はありませんでした。

製品・サービスに関する情報提供

当社グループでは「品質基本方針」に則り、製品仕様書、SDS等を通じてお客様に対して製品およびサービスに関する情報提供を行っています。例えば、当社グループ会社が販売する硫酸は、国内の毒物及び劇物取締法で劇物に指定されていますが、当社グループでは、取引先を毒物劇物販売業者に限定し、またSDSを交付することで、商品をお客様へお渡しした後に、お客様やその労働者に対し、労働安全衛生上の重大なマイナスの影響を防止するよう努めています。

  • SDS(Safety Data Sheet, 安全データシート):化学品の安全な取り扱いを確保するために、化学品の危険有害性に関する情報を記載した文章のこと。

サプライヤーとの品質保証の取り組み

品質保証の徹底には、サプライヤーとの協力関係が不可欠です。当社グループではサプライヤーに対し、品質管理基準・品質要求事項に基づき、定期的な評価および品質監査を実施し、品質リスクの低減やサプライヤーの品質レベルの向上などに取り組んでいます。また、サプライヤーとの相互理解の促進を図るため、「サプライヤーアンケート」を実施しています。

品質に関する人材教育の推進

当社グループでは、品質管理教育を通じ、品質基本方針の周知徹底を図っています。また、品質管理レベルの底上げを図るために、全従業員を対象として、問題原因を論理的に推定して自ら課題を見つけ解決する、問題解決能力の向上と、業務品質の向上を目指す研修プログラムを実施しています。この研修プログラムは、入門コースから上級コースまで受講者のレベルに応じたものがあり、職能レベルや入社年度に応じて計画的な受講を進め、社員教育の一つとして定着しています。
当社品質管理部では、2020年度から内部品質監査員の力量向上を目指し、QMS審査員などの資格取得を奨励し、外部講師による振り返り研修等を導入しています。

  1. ※1JRCA:「日本規格協会マネジメントシステム審査員評価登録センター」の略
  2. ※2IRCA:「International Register of Certificated Auditors」の略
品質管理教育の様子
品質管理教育の様子