ニュースリリース

2024年度

2025年1月29日

JX金属株式会社

第21回LCA日本フォーラム会長賞受賞

 JX金属株式会社(社長:林 陽一、以下「当社」)は、LCA日本フォーラムより、「銅のサステナビリティ向上を目的とした、需要家と共創するリサイクル促進スキームの提案とLCA手法の活用」と題した活動について、「第21回LCA日本フォーラム会長賞」を受賞いたしました。

 

 LCA日本フォーラムは、我が国におけるライフサイクルアセスメント(LCA, ※1)に関わる産業界、学界、国公立研究機関の交流促進、ならびにLCAの啓発・普及活動の推進を目的とするプラットフォームです。同フォーラムでは、製品のライフサイクルから環境負荷削減に取り組む企業、組織、研究者のLCAに関わる優れた取り組みを顕彰しています。

 

 当社の銅の精鉱製錬とリサイクルのプロセスは、多くの工程・設備を共有しています。このため、精鉱製錬の余剰熱を効率的にリサイクルに活用することが可能ですが、精鉱とリサイクル原料(スクラップ等)は、一連のプロセスの途中で溶解・混合されるため、電気銅の需要家にリサイクル電気銅のみを供給することは困難でした。しかし、マスバランス法(※2)を利用すると、電気銅の一部をリサイクル原料由来であると見なし、リサイクル銅のみを供給することや、LCAの手法を用いて、リサイクル電気銅のカーボンフットプリントを計算することが可能になります。

 

 当社は、リサイクル電気銅のカーボンフットプリントを試算し、これが従来の電気銅と比較して小さいことを確認するとともに、需要家と銅のサステナビリティに関連する対話を進めることで、リサイクル電気銅の需要が高まる可能性を把握しました。このような市場の変革に迅速に対応するため、業界に先駆けて、電気銅のカーボンフットプリントの第三者保証(※3)や、お客様と当社による共創型のリサイクル電気銅の供給スキームの提案(※4)、リサイクル電気銅の供給体制の信頼性強化(※5)などの一連の取り組み(※6)を進めて参りました。こうした数々の先進的な取り組みが評価され、今回の受賞に至りました。

 

 当社は銅の製錬・リサイクルと同時に、高機能・高性能な先端素材の開発や安定供給の取り組みを加速させることで、持続可能な社会の発展と革新に貢献するだけでなく、「半導体材料・情報通信材料のグローバルリーダー」を目指して参ります。

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受賞式の様子(左:当社金属・リサイクル事業部長の安田豊、右:LCA日本フォーラム 稲葉敦 会長

 

個別写真(JX金属様).JPG

 以上

 

 

 

※1 商品やサービスを調達・提供するまでの過程から、廃棄やリサイクルに至るまでの一連のライフサイクルにおける環境負荷を算出する手法。
※2 詳細は「マスバランス方式の考え方」をご覧ください。
※3 詳細は2023年7月7日付プレスリリース「電気銅のカーボンフットプリントの算定と、算定結果の第三者保証取得について」をご覧ください。
※4 詳細は2024年1月31日付プレスリリース「100%リサイクル電気銅供給モデルの新提案  ~お客様と紡ぐ資源循環~」をご覧ください。
※5 詳細は2024年7月3日付プレスリリース「リサイクル100%電気銅の供給と銅の水平リサイクルの実現へ~ 第三者機関によるChain of Custody の妥当性確認の完了~」をご覧ください。
※6 詳細は、2022年8月3日付プレスリリース「"サステナブルカッパー・ビジョン"の策定について」および同リリース別紙「サステナブルカッパー・ビジョン JX金属が目指すサステナブルな銅の姿」をご覧ください。

 

(参考)受賞に至った選評は以下の通りです。
脱炭素化を目指し、廃基板などのリサイクル比率を高める必要があることを明確にし、リサイクル銅を活用したことが、CFPの値を抑えられることを研究成果として示せたことが評価できる。加えて、顧客や社会へ情報発信することで、問い合わせや顧客とのコミュニケーションが促進され、これまでの営業ルートで獲得できなかった顧客ニーズをつかめるようになる等、波及効果、相乗効果が出てきている事例であり高く評価できる。