ニュースリリース

2024年度

2024年11月20日

JX金属株式会社

Alloyed Ltd.の株式を追加取得
―先端素材分野において、オックスフォード大学発スタートアップとの連携を推進―

 JX金属株式会社(社長:林陽一、以下「当社」)は、Alloyed Ltd.(CEO:Michael Holmes、以下「Alloyed社」)が新たに実施した第三者割当増資の一部を引き受け、追加出資したことをお知らせいたします。

 

 Alloyed社は、独自のAlloys-by-Design®(ABD®)プラットフォームを用い、金属3Dプリンター向けの合金設計、造形設計等の事業を展開する英国オックスフォード大学発のスタートアップです。同社の高い合金設計技術や3Dプリンティング技術は、先端素材分野における技術革新につながる可能性があるため、国内政府関係金融機関からも注目を集めています。当社は、2019年にAlloyed社の株式を株式会社国際協力銀行と共に取得(※1)して以来、長年培った粉体制御技術や合金製造技術とAlloyed社のシミュレーション技術を組み合わせ、独自の表面処理を施したL-PBF向け3Dプリンター用銅粉(※2)の開発、当社グループ会社のTANIOBIS社とのシナジーを活かした耐熱合金AMtrinsic®(※3)の共同開発など、様々な取り組みを行ってまいりました。

 

 こうした中、Alloyed社はこの先の更なる成長が期待される航空宇宙・防衛関係を中心とした各種プロジェクトへの投資、ソフトウエ ア開発等を目的として、今般、第三者割当増資による資金調達を行うこととなりました。新たに株式会社日本政策投資銀行、スパークス・アセット・マネジメント株式会社が運営する未来創生3号ファンド等が出資する運びとなり、当社も株式を追加取得をいたしました。

 

 今後当社は、Alloyed社への追加出資および協業を通じてデータセンター、航空宇宙・防衛、半導体製造装置市場向けの先端材料開発を推進し、これら有望市場での事業拡大を目指します。AIデータセンタ向け冷却部品、宇宙空間や超高温環境といった極限環境下での使用される部品、半導体装置向け耐熱・耐食素材など、素材開発から部品製造、マーケティングまで幅広く取組みを推進していきます。

 

 当社は、スタートアップ活用や産学連携といったオープンイノベーションを積極的に推進し、「2040年JX金属グループ長期ビジョン」で定めた「フォーカス事業」における新規事業創出につなげて参ります。

以上

【参考】
Alloyed社の概要(2024年11月20日現在)

会社名 Alloyed Ltd.
所在地 Unit 15 Oxford Industrial Park, Mead Road,Yarnton, Oxfordshire, England, OX5 1QU
代表者 CEO Michael Holmes
事業内容 機械学習と計算科学による新合金の設計・開発
金属AM品の開発・販売
設立 2017年
主な出資者 Oxford Science Innovation
Anglo American
株式会社日本政策投資銀行(DBJ)
株式会社国際協力銀行(JBIC)
未来創生3号ファンド(スパークス・アセット・マネジメント株式会社)

 

※1 2019年12月24日付プレスリリース「 OxMet Technologies Ltd.の株式取得について」をご覧ください。
※2 2024年11月12日付プレスリリース「独自表面処理を施した金属3Dプリンター用銅粉を開発」をご覧ください。
※3 耐熱合金AMtrinsic®についての詳細は「AMtrinsic® Ta-W - TANiOBIS GmbH」をご覧ください。