CSR調達

JX金属は、バリューチェーン上での様々なリスクが懸念される昨今の情勢を鑑み、「調達基本方針」および「グリーン調達ガイドライン」を制定の上、CSR調達と位置付けて責任ある調達を推進してきました。調達にあたっては、人権尊重・労働者の権利確保をはじめ、雇用・職業における差別の有無、強制労働や児童労働の有無、紛争鉱物への対応等について、確認を行っています。

CSR調達アンケート

2019年度よりサプライチェーン全体で、人権の尊重、労働安全衛生、コンプライアンス、環境保全などの取り組みを実践し社会的責任を果たしていくために、CSR調達アンケートを実施しています。
調査結果に基づき、取引先へのフィードバック等を行いながらサプライチェーン全体でさらなるCSR活動の推進に注力していきます。

紛争鉱物への対応

紛争鉱物とは、紛争地域において(多くの場合は違法に)産出されて現地の武装勢力の資金源となり、人権侵害や非人道的行為の拡大につながる恐れのある鉱物の総称です。1990 年代終盤から紛争鉱物の取引を規制しようとする国際的な動きが高まり、現在では、さまざまな機関においてルールやプログラムが構築されています。
経済協力開発機構(OECD)では、2011 年に「紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス」を制定し、企業などが自らの管理により紛争鉱物の取引に関与しないための指針を設けています。米国では、金融規制改革法(ドッド・フランク法)に基づき、上場企業は米国証券取引委員会(SEC)に対して、特定の紛争鉱物(錫、タンタル、タングステン、金)の使用状況を報告することが2013 年以降義務付けられるなど、情報開示とステークホルダーからの監視を通じた紛争鉱物の排除が図られています。
こうした国際的な流れを受け、当社グループが関連する事業者団体(LME※1、LBMA※2、 LPPM※3、RBA※4など)においても紛争鉱物排除のための調査プログラムが制定され、各事業者に対して、プログラムに基づいた調査や、第三者機関による外部監査の受審を求めています。

  1. ※1London Metal Exchange(ロンドン金属取引所)
    銅をはじめとする非鉄金属先物取引の大部分が行われている工業用金属の世界的な取引所。
  2. ※2LBMA:London Bullion Market Association(ロンドン貴金属市場協会)
    金・銀地金の取引を行う金融機関などで構成される業界団体。同団体のGood Deliveryリストに登録されることにより、高い品質と信用が担保される。
  3. ※3LPPM:London Platinum and Palladium Market(ロンドンプラチナ・パラジウム市場)
    プラチナ・パラジウム地金の取引を行う金融機関などで構成される業界団体。同団体のGood Delivery リストに登録されることにより、高い品質と信用が担保される。
  4. ※4RBA:Responsible Business Alliance
    電子業界のサプライチェーンにおいて責任ある行動を目指して組織される企業同盟。

銅、金、銀、プラチナおよびパラジウムのサプライチェーンに関する取り組み

金、銀、プラチナおよびパラジウム地金の生産者であるJX金属製錬(株)では、以下の内容を含むサプライチェーン・デュー・ディリジェンス(DD)のマネジメントシステムを構築し、運用しています。

  1. 1.原料鉱物の購入取引に先立ったサプライチェーンDDの実施
    (原料の発生元の確認、リスク評価、納品後における現物確認、流通経路の確認、関連するドキュメント類の保管など)
  2. 2.サプライヤーに対する紛争鉱物排除の方針の周知
  3. 3.サプライチェーンDDとその背景に関する社内教育実施
  4. 4.内部監査の実施と外部監査の受審

サプライチェーンDDの運用状況は、LBMAおよびLPPMが指定する第三者機関による外部監査を受けた後、同団体に報告されます。本手続きを通じてJX金属製錬(株)佐賀関製錬所で生産される金地金、ならびに日立工場で生産される銀、プラチナおよびパラジウム地金は、同団体のGood Deliveryリストに登録されています。これと同時に、佐賀関製錬所および日立事業所はRBAとGeSI※5が定めるRMAP Conformant Smelters(紛争鉱物を使用していない製錬所)リストにも掲載され、紛争鉱物排除の対応が的確に取られていることが認められています。
また、銅地金についても、原料の発生元の確認、リスク評価、流通経路の確認などの内容を含む、サプライチェーン・デュー・ディリジェンスのマネジメントシステムを構築し、2022年度より運用を開始しました。運用状況は、The Copper Mark認証取得手続きを通じて、第三者機関による外部監査を受け、確認しています。

  1. ※5GeSI:Global e-Sustainability Initiative(欧州の情報通信事業者団体)
    紛争鉱物が電子機器や通信機器に使用されるリスクが高いことを背景として、本業界に関連するRBAとGeSIが協力してRMAP(Responsible Minerals Assurance Process)の認定プログラムを構築。

タンタルのサプライチェーンに関する取り組み

タンタル粉の生産者であるTANIOBIS GmbHでは、紛争地域および高リスク地域から原料を調達する際は、紛争地域における紛争、その他の人権侵害への非関与が、ITSCI※5により保証されていることを証明するタグ付けがされた原料を購入するなど、OECD Due Diligence Guidanceに基づくプログラムを厳格に運用しています。上記取り組みの結果、TANIOBIS GmbHは、紛争鉱物排除の対応が的確に取られていることが認められ、RMAP Conformant Smeltersリストに掲載されています。
また、2019年6月より、原料サプライチェーンに関する国際的な監査機関であるRCS Global Groupが提供するBSP(Better Sourcing Program)により、ITSCIと同様のサプライチェーンDDシステムの運用を開始しました。

  1. ※5ITSCI:ITRI Tin Supply Chain Initiative(錫サプライチェーンイニシアティブ)
    錫のグローバルな業界団体であるInternational Tin Research Institute (ITRI) による活動。OECDの指針に基づき、鉱山から精錬所までのデュー・ディリジェンスの実現や、武装勢力との関わりを持たない紛争地域の鉱山からの調達の促進などを目指している。

JX金属グループサプライヤーホットライン

JX金属グループは、国内外の法令、ルール等の遵守のみならず社会規範・企業倫理に即した公正・透明な取引を行うことを経営の基本としており、JX金属グループにおける法令等に違反する行為が明らかになった場合、適切な手続きを通じてその是正・救済に取り組みます。また、これにより影響を受けた関係者がアクセスし得る是正・救済のためのプロセスを整備しています。
JX金属グループにおける法令等に違反する行為又はそのおそれのある行為にお気づきになられた場合、または疑問を持たれた場合は、以下をご確認のうえ、ご連絡をくださいますようお願いいたします。

ご利用いただける方

JX金属グループのサプライヤー企業及びその従業員の方

通報の方法

原則として実名での通報をお願いします。匿名での通報も受け付けますが、事実関係確認のための調査に限界がありますことをご承知ください。JX金属グループにて必要と判断した場合を除き、対応の結果を個別にご報告はいたしませんので、ご了承願います。

通報への対応について

  • 通報内容の確認・調査の結果、救済・是正措置が必要な場合は、迅速に対応を図ります。
  • 通報内容は適切かつ慎重に取り扱い、確認・調査・是正等のための必要最小限の範囲でしか開示いたしません。
  • 通報したことを理由として、通報された方およびその勤務先に対して不利益な取り扱いを行うことはいたしません。ただし、個人への誹謗・中傷、またはその他不正な目的で通報された場合は、この限りではありません。

個人情報の取扱いについて

ご通報内容、ご通報者の会社名・お名前等の個人情報は、通報内容の確認・調査の目的でのみ使用いたします。その他個人情報の取り扱いにつきましては、プライバシーポリシーをご覧下さい。