金属・リサイクル事業

廃アスベスト無害化処理事業

処理事業者:JX金属環境株式会社

アスベストに関する規制

  • アスベストは、火成岩が自然現象の力で変化した繊維状の鉱物で、主成分は珪酸マグネシウム。優れた耐熱性、耐摩擦性、防音性、電気絶縁性、耐薬品性を有しているため、建築材料や工業製品に使用されていました。
  • 日本では1942年から製造使用されてきましたが、現在では完全に製造、輸入、譲渡、提供、使用が禁止されています。しかし、過去に大量に使用されてしまったアスベストの廃棄物が環境面での大きな社会問題となっています。また、アスベストに起因する疾病は遅発性を有するため、数十年前の吸引に起因した中皮腫などの健康被害を生じるケースもあります。
  • アスベストを含む廃棄物(以下、廃アスベスト)は、飛散性アスベストと非飛散性アスベストに大別されます。飛散性アスベストを含む製品は、特別な管理や処理が必要な「特別管理産業廃棄物」の範疇に入ります。その無害化処理においては、廃棄物の処理過程はもとより、発生元からの収集運搬、受け入れ、保管を含めた一貫した処理システムが求められます。

アスベストとは

  • 1本の繊維の太さは髪の毛の5000分の1程度。アスベスト自体は有毒ではないが、針状の結晶を吸入することにより、健康被害が生じる
  • アスベストを含有する産業廃棄物
    • 吹付け材、保温材、断熱材、耐火被覆材、スレート等の成形板、床タイル等の建築材料
    • 紡織品、ガスケット、パッキン、ブレーキライニング、クラッチフェーシング等の工業製品

廃アスベスト処理の現状

溶融処理と埋め立て処理

現在、飛散性アスベストの約8~9割が埋め立て処理をされています。しかし、針状の結晶を有したまま埋められるため、地震発生時等の飛散が懸念されます。また、埋め立て場所を永久に管理する必要もあります。
一方、溶融処理を行うと、飛散性アスベストを完全無害化することができます。溶融処理される飛散性アスベストは現在全体の約1~2割に留まっていますが、環境意識の高まりとともに、徐々に割合が増加しています。溶融処理が進めば、最終処分場の使用期間も伸びるなど、環境負荷の軽減にもつながります。

大幅な増加が予想される処理量

アスベストを使用した建材の寿命は約30~40年とされ、廃棄物として排出される量は、2020年ごろをピークに年間120~160万トンに上ると予想されています。
また東京都が2011年に施行した条例により、震災時の緊急輸送道路沿道建築物の耐震工事や立て直しが促進されること、2020年の東京オリンピックに向けて解体工事が増加することなどから、廃アスベスト発生数量の増加が予想されています。安定かつ適正な処理能力の確保が、今まで以上に重要になっています。

JX金属環境の高温溶融処理による完全無害化処理

スラグ

JX金属環境株式会社(以下、JX金属環境)は、1994年に高温溶融による飛散性アスベストの処理事業を開始しました。その20年にわたる処理実績および技術の蓄積は、お客様や地域社会から広く評価されています。また溶融処理により発生するスラグ(※)も、100%リサイクルが可能です。高温溶融処理は、こうしたゼロエミッションを可能にする唯一のプロセスです。

  • リサイクル原料から金・銀・銅などの有価物を取り出した後のガラス質。主成分は酸化鉄・シリカ・アルミナ等。

処理フロー

JX金属環境では、スラッジ(汚泥)、焼却灰、ガラス屑などを1300~1500℃の高温で加熱溶融し、銅や金・銀などの有価物を硫化物(マット)の状態で回収すると同時に、残分を無害なスラグとして回収し、リサイクルしています。高温での燃焼を可能にするために、燃焼空気の酸素濃度を高める独自の技術を導入しています。
廃アスベストは、溶融スラグにアスベストを1500℃以上の高温で融解させ、均一化することで無害化処理しています。この溶融・無害化処理にあたっては、アスベストが漏えいすることがないように、専用の二重袋入りの廃アスベストを、密閉状態のまま炉の天井部から直接炉内の溶融スラグに投入します。
廃アスベストを溶かし込んだスラグは、主にケーソン(港湾工事等に用いられる箱状の構造物)の充填材やセメント材料などにリサイクルされます。

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