オープンイノベーションの推進

オープンイノベーションの推進

当社グループ各社が持つ独創的な技術とのコラボレーションや、大学など研究機関との共同研究、外部企業とのパートナーシップなど、さまざまな形での共創を推進し、新しい技術・価値の創造ができる体制の構築を目指しています。

レーザー核融合発電の社会実装に向けた協業

当社は、大阪大学発スタートアップであるEX-Fusion社に出資し、レーザー核融合発電の社会実装に向けた協業を開始しました。
脱炭素社会の実現やエネルギー安全保障への関心が高まる中、核融合発電は、発電時にCO2を排出せず、燃料となる重水素を海水からほぼ無尽蔵に確保できることから、次世代エネルギーとして大きな期待を集めています。一方で、レーザー核融合発電の実用化に向けては、高出力・高耐久なレーザーシステムの実現が重要な技術課題となっています。
当社はこれまでEX-Fusion社と協業し、レーザー核融合に不可欠な高出力レーザー向けYAGセラミックスの技術開発を推進してきました。今回の出資を機に、レーザー関連材料の高性能化・高信頼化に向けた取り組みをさらに加速するとともに、核融合炉周辺材料を含む新たな材料分野での共同開発を進めていく予定です。これらの取り組みを通じて、レーザー核融合発電の社会実装に貢献していきます。

プリンテッドエレクトロニクスの社会実装を加速

当社が作製した銅インク

当社は、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)との共同研究を通じ、プリンテッドエレクトロニクス(PE)を用いた次世代デバイス向けの微細配線形成の技術開発を推進しています。PEは、導電性材料などを分散させたインクを樹脂フィルムやガラス基板上に印刷することによって配線を形成する技術で、銅箔のエッチング法による配線形成よりも省資源で環境負荷が小さく、かつ微細化が可能と言われており、スマートフォンやウェアラブルデバイス等のさらなる小型化・薄型化への貢献が期待されています。
このたび、当社の銅微粉を用いた銅インク材料技術と産総研の印刷技術を融合することで、銅の微細配線形成を可能としました。スクリーンオフセット印刷法※では世界最細レベルとなる線幅6µmの銅の微細配線形成を達成したことを受け、社会実装に向けたマーケティング活動を本格的に開始しています。さらに最近の研究成果として、高周波領域(80GHz超)において当該銅インクおよび印刷技術を用いた配線は、バルクの銅箔よりも高い導電性能を有することを見出しました。今後、お客様との対話を通じてニーズを収集し、さまざまな用途探索を進めていきます。

  • ※スクリーンオフセット印刷法:導電性インクを転写体にスクリーン印刷し、その後転写体に印刷した導電性インクを基板へ転写形成する方法。工程が簡便かつ大面積化が容易で、印刷速度が速いことが特徴。

水素製造用PEM水電解向けイリジウム触媒の高効率利用技術の開発推進

当社は、次世代の水素製造技術として注目されるPEM(固体高分子膜)水電解向けイリジウム触媒について、米国コロンビア大学への委託研究を通じて、使用効率向上と使用量低減に関する新たな知見を獲得しました。
PEM水電解はグリーン水素製造技術として期待されていますが、触媒として用いられるイリジウムは希少金属であり、その使用量低減が重要な課題となっています。コロンビア大学への委託研究で得られた成果は将来的なイリジウム使用量の低減や水素製造コストの削減への貢献が期待されます。
当社は、本技術の社会実装に向けて研究開発を継続するとともに、水電解装置メーカーや研究機関との連携を通じて評価・実証を進め、水素社会の実現に貢献していきます。

JX金属寄付ユニットの活動

第3期開始の記者会見にて 左から当社諏訪邉執行役員、当社谷常務執行役員、黒川特任教授、所特任教授、当社菅原副社長、岡部所長・特任教授、菅野特任教授、大内特任講師(2022年1月)

近年、非鉄金属材料の安定供給へのニーズが高まっている一方で、国内の非鉄製錬・リサイクル関連分野の研究者・技術者は減少の一途を辿っています。こうした現状を踏まえ、当社では、東京大学生産技術研究所と協働して、新たな環境調和型リサイクル技術の開発とともに、それを担う人材の育成を目的とする組織「非鉄金属資源循環工学寄付研究部門(JX金属寄付ユニット)」を2012年より設置しました。
本ユニットは2022年1月に第3期(5年間)を開始しました。第3期では、非鉄金属産業の重要性と将来性に関する理解増進並びに普及啓発活動をさらに進化させるとともに、SDGs実現に向けた諸活動や次世代育成活動としてSTEAM教育※関連活動にも注力しています。

  • ※STEAM教育:Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(芸術)、Mathematics(数学)の5つの単語の頭文字を組み合わせた教育概念。実社会での課題解決につながる論理的思考力や創造力を養うことを目的としている。
JX金属寄付ユニット 活動記録http://www.metals-recycling.iis.u-tokyo.ac.jp/
「産学連携と人材育成に関するシンポジウム」を開催

2025年9月26日に、東京大学生産技術研究所のコンベンションホールで、「非鉄冶金の重要性と将来性に関するシンポジウム」を非鉄金属資源循環工学寄付研究部門(JX金属寄付ユニット)の主催で開催しました。オンラインを含めて約280名が参加しました。
山口勉功早大教授、柴田悦郎東北大教授、岡部徹特任教授、黒川特任教授らが非鉄金属製錬の現状とこれに関わる醍醐味について講演をされました。当社から安田豊常務執行役員が銅製錬事業の最近の環境変化とこれに対応して当社が進めている施策について報告しました。

「第13回 貴金属シンポジウム」を開催

JX金属寄付ユニットでは、2026年1月9日、特別・合同シンポジウム「第13回 貴金属シンポジウム ~貴金属の製錬・リサイクル技術の最前線~」を開催しました。このシンポジウムは貴金属の製錬とリサイクル分野の議論を通じて人的交流を広げることを目的としています。当社からは佐賀関製錬所精金銀課の藤本敦課長が「JX金属の貴金属回収工程におけるPt,Pd回収について」と題した講演を行いました。貴金属関連企業を中心に産官学から約250名以上の方々が参加し、活発な議論がなされました。

JX金属寄付ユニットの紹介
メンバー ※役職はWEBサイトから転載した2026年9月現在のもの
特任教授

岡部 徹

  • 東京大学 副学長
  • 東京大学 生産技術研究所 持続型材料エネルギーインテグレーション研究センター 教授
特任教授

黒川 晴正

  • 住友金属鉱山(株)顧問
特任教授

所 千晴

  • 早稲田大学 理工学術院 教授
  • 東京大学 大学院工学系研究科 教授
特任教授

山中 俊治

  • 東京大学 特別教授
  • 東京大学 生産技術研究所 価値創造デザイン推進基盤・特任教授
特任講師

鳴海 大翔

  • 東京大学 生産技術研究所 講師